2011年6月27日 (月)

扁摘パルス療法の研究結果、国内・外で続々と

IgA腎症根治治療ネットーワークのDR.HOTTAの新コラムで、厚労省が実施していたランダム化比較試験(RCT)の結果が、腎臓学会で発表されたことについて、紹介している。

「扁摘パルスRCTで有意差あり」第54回日本腎臓学会速報
http://www.iga.gr.jp/column/007_20110620.php

RCT: Randomized clinical trial(無作為化[ランダム化]臨床試験)

厚労省の臨床試験の結果が出るほんの少し前に、ヨーロッパで最も権威のある腎臓の雑誌、オックスフォードジャナルの『NDT(Nephrology Dialysis Transplantation)』にて、中国人がこれまでの扁摘パルス治療に関する報告をメタ分析(過去に行われた複数の研究結果を統合して信頼性の高い結果を出すこと)してまとめた論文が掲載された。

「NDT」6月号から
http://ndt.oxfordjournals.org/content/26/6/1923.abstract
A meta-analysis of the clinical remission rate and long-term efficacy of tonsillectomy in patients with IgA nephropathy
<IgA腎症患者への扁桃摘出治療の寛解率と長期有効性のメタ分析>

この論文では、データベースから扁摘パルス、扁摘+ステロイド服用、扁摘もステロイドも使用しない従来の治療に関する研究を分析し、扁摘とステロイド(パルスまたは服用)の併用治療で寛解率が有意に高いことを結論づけている。

今後は、ランドマーク研究(従来、標準と考えられていた診療内容を、大きく変える結果につながる象徴的な成果を上げた研究)となるであろう、扁摘パルスの臨床試験が世界各地で実施されてゆく可能性が高まった(患者に対する倫理観の問題は、RCTにはいつの場合にも伴ってはいるが)。

それとともに一次疾患が腎炎を誘発するという研究も進んでゆくはずだ。メカニズムがより明確になると同時に、扁摘パルス否定派も考えを変えざるを得ない。

扁摘パルス治療がスタンダードとなる日も遠くないだろう

このブログの英語版を作らなければと思っていたが、その必要はなさそうだ(実際のところ、外国の患者さんがブログを英語で読めても実施機関がなければ患者は救われない)。これからは、海外で扁摘パルス治療を受けた患者さんのブログが続々と出てくるようになり、それらを通して、海外にこの治療が浸透してゆくことになるだろうから。

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2011年4月 6日 (水)

鼻咽腔炎の治療法

被災地、仙台で診療を続ける堀田修先生の新刊が予定通り出版された。

病気が治る鼻うがい健康法

IgA腎症の治療、扁摘パルスを受けた患者さんで、感染のある扁桃を摘出しても尿所見に潜血・蛋白が残る場合には、まず鼻の炎症を疑うが、その治療法についてわかりやすく記されている。

扁摘パルス実施機関であっても、鼻の炎症まで診てくれる腎内医師はいまだ少数派である。だから、患者自らこれらの知識を得ておきたい。

鼻の炎症には、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)と鼻咽腔炎(慢性上咽頭炎)があるが、本書では耳鼻科医師でも見落としがちな(というよりは、大学での耳鼻科教育で教えないために、医師にはこの部分の炎症に関する概念すらなく、治療法ももちろん知らない。また、押しなべて言うと、医師は「根拠のない治療法」[比較試験等で実証されていない治療法]をあえてやろうとしない)鼻咽腔炎を扱っている。

これまでに、ブログでも、鼻咽腔炎や、その治療法である塩化亜鉛を鼻咽腔に塗布するBスポット治療について何度か記しているが、私自身、本書を読んで新しく知ることもあった。

これまで、鼻の炎症は、細菌やウイルスによる病巣感染から引き起こされると思っていたが、それらがない場合にも、鼻咽腔炎は起こるというのだ。「えっ、なんで?」

その原因となるものは、「自律神経の乱れ」。

自律神経と聞くと、通常はストレスが強く関連すると思いがちだが、それだけでない。寒い思いをしたとか、ほこりっぽい場所にいたとかなど、ささいなことからも起こりえるらしい。

これらの状況から炎症を起こした患者の鼻咽腔からは、病原菌は見つからない。感染を起こしていないのに、自律神経の乱れから鼻咽腔炎を発症し、腎炎や関節リウマチなどを誘因するというから、神経質な人は聞き捨てならない。

ストレスを感じたいと自ら希望する人はいないが、日常の中で、できるだけ感じずに済むような知恵やくふうが必要だ。その解決方法として、本書では、ストレスを感じたら、「とにかく寝る」こと奨めている。寝る前に、鼻うがいをして、首の凝りをほぐし、温めて、ふとんにもぐりこむ。

「ストレスで簡単に眠れない」という人もいるかもしれないが、とにかく脳の活動を休ませて、頭の中から一切のストレスを追い出そう。

また、巻末の「慢性上咽頭炎の塩化亜鉛治療を行っている医療機関」は、近隣にBスポット治療をしてもらえる耳鼻科があるかどうか調べるのに参考になるだろう。実際、塩化亜鉛を用いた治療を受けたくてもその情報がなく耳鼻科探しで苦労する患者が少なくないのだから。

さらに、書籍では、Bスポット治療のほか、自宅でできる鼻咽腔炎の複数の治療法を紹介している。摂取したい食品についても、できるだけ食事に採り入れたい。

病気が治る鼻うがい健康法

上の書籍に加えて、下記2冊を理解すれば、一般の腎内医師を上回る正しい知識を持つ、「最強の患者」になれるはずだ。

IgA腎症の病態と扁摘パルス療法

慢性免疫病の根本治療に挑む

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2011年3月14日 (月)

<<緊急>> 東北地方太平洋沖地震の安否確認と仙台社会保険病院について

恒志会の方から、仙台にお住まいの堀田先生の安否の確認をいただきました。土曜朝にたまたま電話がつながったとのこと(現在は電話、メールともつながらない)、お声は元気そう、ご家族ともご無事とのことです。

また、別の情報筋から、仙台社会保険病院は健在。加えて、大量の透析患者さんを引き受けて、24時間体制で透析治療を継続しているとの情報を得ました。

ウェブの情報でも、
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仙台社会保険病院では、今回の地震後、人工透析を受ける必要がある宮城県内の患者の多くを引き受けています。自家発電機の灯りに頼りながら、24時間態勢で1日に600人程度の患者の透析治療にあたっています。
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とのニュースを得ました。

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2010年12月14日 (火)

書籍『IgA腎症難民だった私の十八年』

扁摘パルス治療を受けた方、あるいは関心のある患者さんであれば、すでに堀田医師の『慢性免疫病の根本治療に挑む』と『IgA腎症の病態と扁摘パルス療法』を読まれていると思う。今回ご紹介する書籍は、扁摘パルス治療を受けられた患者さんの体験記。

IgA腎症発症から18年間、病気と自身にふりかかるさまざまな逆境の中で、扁摘パルスにたどりつき寛解された柴田豊さんの著書『神様からの教科書-IgA腎症難民だった私の十八年-』だ。

ネット上では、拙ブログを含め、患者さんのブログは多数公開されているが、初めて紙媒体での書籍としてまとめられたものが出版されたことに大きな意義があると感じる。

初版は今年8月にすでに発行されているが発行部数が少なく、アマゾンではすぐに調達不可能となってしまったため、こちらのブログでお知らせすることができなかった。自費出版のため、もう増刷されないのかと残念に思っていた。

それが、今回12月10日に第2版が出た。このような書籍は一般の書籍と比較して市場規模が小さくマーケティング活動(書籍の販促)の費用対効果が見込めないため、患者にとってはどれだけ有益な情報であっても大手出版社が手がけることはない(実際、アマゾン1位などのランキングは著者や出版社が「ネット上の集客テクニック」を知ってさえいれば比較的簡単にゲットできるものである)。

本書は、移り変わりの激しい書籍のトレンドに影響されることのない内容で、また、新たに発症する患者が今後いなくなることもないため、将来にわたって長くIgA腎症患者に読み継がれるものになるはずだ。

著者の柴田さんは、日本語教師をされているだけあって表現に富み、その筆力にそそられて「次はどうなる!」と、一気に読み進んでしまう。

圧巻はやはり、扁摘パルス否定派医師の見解の矛盾に気づき、仙台社会保険病院に転院し扁摘パルス治療を受けるようになる過程。この部分は同じ体験をされている患者さんの共感を呼ぶことだろう。いかに否定派医師が、患者の病気を治すという医療の大前提を無視して自己の立場にこだわり患者を不幸に陥れているか、従来からのIgA腎症治療にこだわる医師側の不条理が読み取れる。

一人でも多くの患者さんに本書を読んでいただきたい。「IgA腎症は一生治らない」と信じている人々を救う大きな転機を与えるものになるだろう

『神様からの教科書-IgA腎症難民だった私の十八年-』

ダウンロード版

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2010年11月 6日 (土)

治療経験者の多くが勧める扁摘パルス治療

このところ、仕事のスケジュールがずっと混んでいる状態が続いており、ブログの更新もままならずにいた。午後8時に就寝、午前2時に起床でやりくりしているが、疲労だけは翌日に持ち越さないようにと、睡眠時間は6時間はとるようにしている。

IgA腎症根治治療ネットワークで、第2回扁摘パルスアンケート結果(200例)報告が公開された。

PDFをダウンロードすれば、結果を一気に読むことができる。

パルスの方法による寛解率については、3週連続の仙台方式が53.9%、イタリア方式(主に2ヶ月に1回のパルスを3クール)が44.8%。満足度では、大変満足+満足が仙台方式で74.8%、イタリア方式では65.5%。

いずれも、仙台方式が上回っている。現実には、病態が軽度の患者にイタリア方式を勧める医師もいるため、炎症の程度から見た場合は、この差はさらに大きくなるだろう。

患者さんの生の声は直に伝わってきて興味深い。治療の結果別に示されているが、扁摘パルス治療の結果に満足の方でも不満の方でも、感想に共通していることが一つある。

結果に「不満」の回答者であっても、他の患者さんに早めの治療を勧めていること方が多いのだ。このことから、寛解に間に合わなかったことが悔やまれ、早期治療の重要さを強調されていることがよくわかる。

満足でも不満でも、扁摘パルスについてまだ受けられていない患者さんに勧めたいという気持ちは同じなのだ。

こんなに多くの扁摘パルス治療を受けた患者さんが、他人にも同じ治療を受けて欲しいと願っている状況がありながら、依然として扁摘パルス否定派医師の存在のために、治療の普及が妨げられている実態が続いている。

あと10年もすれば、もっと改善されているのだろうか。願わくば世界中のIgA腎症患者さんがこの治療の恩恵を受けられるようになっていてほしい

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2010年8月15日 (日)

IgA腎症の再発と医師の対応

今回の記事は、コメント欄にて、一人の読者の方に私が回答した内容であるが、他の方々にもお読みいただきたく、再度掲載した。

扁摘パルス治療を受けられる患者さんが皆、「自分は寛解するのだろうか」、「寛解しても再発するのでは」という不安を抱きます。

寛解に至らない、あるいは再発する場合には、“必ず理由があります”。

一つは寛解ポイントを越えてしまっていた場合です(早期治療を私がブログで促すのはそのためです)。

また、扁摘パルスを実施しても、その医師が他の病巣感染(扁桃以外の鼻や歯の炎症)の知識に乏しかったり、今回(*前回の「扁摘パルス実施機関への転院について」)のブログ記事に採り上げているような不十分な治療だったり、あるいは他の腎臓疾患を併発していた場合もあります。

患者の症状はそれぞれ異なるはずなのに、個々に応じたカスタムメイドの扁摘パルス治療ではなく、最初から単に『定型的』に扁摘パルスを実施している病院が少なくないのです。

原因を究明して、必要ならばさらなる治療計画を導入する必要があるのですが、その力量不足の医師が多いのが現状です。「IgA腎症は原因不明の病であるから」と片付けられ、その後の治療ができずサジを投げている。

上記の現況から「扁摘パルスをすれば必ず治るというわけではない」という意見がまかりとおったり、それを鵜呑みにするメディアの風潮 【マスメディアに対しては、この分野での研鑽をもっと積み、第三者機関としての真髄に迫る精神を養ってもらいたい。そしてより多くの人々を救って欲しい】 もあったりします。病院によっては寛解率を押し下げているところもあります。

このような未だ病院によって未発達段階の扁摘パルス治療なのですが、いずれは、「扁摘パルスは不確定要素が多い治療」といった、技量が中途半端な医師の主観が、患者が寛解に至らないことの免罪符にはもうならない時代が来ることでしょう。

ですから今は、信頼のおける実施機関を選択することが非常に重要になってきます。

ただし患者さんが、近隣にそのような病院があるかどうかを知るのは本当に難しいことですね。

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2010年7月24日 (土)

扁摘パルス実施機関への転院について

最初にかかった病院が、扁摘パルスを実施し、実績・経験を積んだ医師が主治医の場合は、運がよい。現状では、扁摘パルスをしていない病院のほうがいまだ多い。

この混沌とした状態はしばらくは続くだろう。従来の治療の信奉者の医師が突然に扁摘パルス推進派に鞍替えすることはめったにないからだ。

特に従来の治療に関する書籍を執筆していたり、長年著名な腎内医師として世間に認知されているような影響力のある医師や、オピニオン・リーダーとして崇められている権威ほど、自己の考えに執着しがちの傾向があり、変化を好まない。

変更すれば、これまでの自分がしてきたこと、存在自体をも否定することになってしまうからだ。これは本人にとって脅威だ。

だから、そのような腎臓内科の医師に当たってしまうと、扁摘パルスをしたいと思っても、病院探しからの苦労が伴う。この煩わしさがネックとなり、挫折してしまう患者さんもいる。

また、扁摘パルス否定派の医師へ通院していたIgA腎症患者さんが、IgA腎症根治治療ネットワークや当ブログをご覧になって、IgA腎症専門外来や紹介された扁摘パルス実施機関へ転院しようとする際にも、最初のハードルが立ちはだかる。

「前医にどのように転院の話を切り出そうか」

「イヤな顔をされたらどうしよう」

「何も話をしないで転院しちゃおうか」
などなど。

特に感情をあらわにするような医師だと、手切れ金がわりにイヤミのひとつも言われかねない。その医師が扁摘パルス否定派であること自体が、すでに患者に罪を犯しているのにもかかわらずだ。

「扁摘パルスを受けても治らないし同じだよ」
…やったことのない医師ほどこのようにいう。腎炎を一生治らないものと、昔の説を信じている。実際は扁摘パルスをすればするほど、その効果を実感するはずだ。

「そんな治療方法は根拠がない」
…自己の知識をアップデートできていない医師、または歪められた研究報告(実態を知れば、臨床試験には恣意的なものがあまりにも多いことに愕然とするだろう)を鵜呑みにしている医師がこういう。医療は進歩しているのに、成果を上げている治療が別にあっても、立場にこだわり、患者を治すための医療という大前提を忘れている。

「その治療はもっと悪化してから考えればよい」
…あまりに無知である。扁摘パルスは腎症が進んでからの寛解ポイントを過ぎてからでは手遅れだ。早期発見、早期治療で寛解率が高まる。

しかし、これらの前医と縁を切る際の不快な体験も、いっときだ。すべて大切な自分の体を守り、“IgA腎症とも縁を切る”ための試練と考えよう。その「後味の悪さ」を打ち消してあまりある「寛解」というこの上ない福音が待っているのだから。

医療を提供する医師とそれを受ける患者という構図からすれば、患者は圧倒的に弱者である(最近では患者の権利のみを誇張するモンスターペイシャントの現象もあるが)。しかし、医師を選ぶ権利、治療法を選択する権利は患者にある。

さらに今では、正しい知識という点で、患者のほうが医師を凌駕していることも少なくない。日々数十人の患者を診ている専門家である医師よりも、一患者が自己の体を通しての諸現象や病態の変遷の観察、積極的な情報収集からの学びにより、本質を獲得できているのだ。

転院する病院の情報は、あらかじめしっかりと得ておきたい。ここを誤ると、せっかくの苦労、決断が無駄になる。

病院によっては、
・扁摘だけをしてパルスをしない
…寛解する人も中にはいるが、寛解率は高くない。病巣だけをとればよいというものではない。乱れた免疫システムをリセットする必要があるのだ。

・パルスだけを実施、扁摘をしない
…上記の逆。一次疾患の病巣を根治することがなければ、例え寛解しても再発率が高い。

・パルスが仙台方式(3週連続の3クール)ではない
(パルスが1クールだったり、2ヶ月おきに3回などのパルス)
…炎症の強い患者には効果が無く、腎不全になってしまうことがある。また、寛解したとしても、再発した場合に、他に残っている病巣が原因なのか、効果の低いパルスが原因なのかが判別しにくい。

このような場合もあるので、転院する先の病院が、効果や寛解率の高い治療を実施しているかどうかを確認しよう。このブログを読まれている患者さんであれば、どんな方法が最善なのかは承知していることだろう。

パルスでのステロイドの副作用は誰もが心配することだ。医療には、リスクとベネフィットの両面がある。だが、それを踏まえた上で、治療が十分でなかった場合に将来苦労(腎不全や透析)するかもしれないリスクと、パルスの副作用のリスク(これもいっときである)を比較したら、どちらのリスクが深刻なのか考えてみよう。

せっかく受ける貴重な機会(ほとんどの患者は一生に一回だけパルスを受ける)を、わざわざ効果の低いものにしてしまえば、悔いが残るはずだ。

転院後の段取りからすれば、転院する場合には前医の紹介状が必要である。扁摘パルスをする医師にとっては、いきなり何の情報もなしに治療を行うことは万全とはいえない。腎生検やこれまでの治療の情報などの大切なデータが、扁摘パルス治療やその後の経過にも活用される。

もちろん、前の医師と相性があわず、何の情報も持たされずに扁摘パルス実施機関に「駆け込み転院」される患者さんもいる。そのような患者さんを医師が拒否したら難民になってしまうので、受入れはするが、駆け込みはあまりにも前医がガンコな場合の最終手段である。

そうは言っても、紹介状をもらうのに前医と顔を合わせたくないという人も多いだろう。

まずは、電話をしてみよう。看護師さんなどに相談するのもよいだろう。

私の場合、主治医はいつも病院にいるわけではないので、電話で看護師さんに、「鼻の治療もしたいので、堀田医師への紹介状をいただきたい」と伝えた。紹介状を用意していただき、数日後に診療科の受付に取りに行った。

新しい病院には、紹介状と併せてこれまでの検査結果も持参したい。

転院は扁摘パルス治療を受けるための大きな難関のひとつであるが、「大きな一歩」でもある。壁を乗り越えて行動した者には未来が開けるのだから。

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2010年6月16日 (水)

IgA腎症根治治療ネットワークの記事をご紹介

前回の受診の際に、先生が取材を受けられたことを聞いていた。IgA腎症根治治療ネットワークを見ると、日本医事新報の記事が掲載されていた。

内容は医師向けであるが、こちらのブログを読まれている方であれば、ほとんどを理解することができるだろう。

http://www.iga.gr.jp/pdf/4494p034_041meet13.pdf

ポイントをまとめてみた。

●IgA腎症は1968年初めて報告された疾患で、当初は予後良好と言われたが、今は発症20年後には4割が透析導入に至っている

●IgA腎症の発症早期に扁摘パルスを実施することで高い寛解率を得られる

●IgAは粘膜免疫防御を担う接着分子であり、IgA腎症患者は粘膜系のどこかに慢性的な炎症(病巣感染)を持っている

●炎症自体は白血球の好中球とマクロファージが糸球体の毛細血管を断裂させることで引き起こされる。

●免疫の司令塔はリンパ球であり、ステロイドパルスによりリンパ球を抑制できるが、飲み薬のステロイドだけでは好中球とマクロファージを抑制してもリンパ球までは抑制しない

●パルスの効果は半年ほどで、扁摘をしないと、パルスによって消失した扁桃のリンパ濾胞が完全に元にもどってしまう。パルス先行の場合は半年以内に扁摘を実施するのが望ましい

●昔の本では、血尿は腎炎を悪化させないと記されているものがあるが、血尿は糸球体の血管の破壊から起こるのであるから、血尿を甘く見てはいけない

●他の疾患での血尿との区別は、尿検査にて変形した赤血球があるかどうかで判断できる

●IgA腎症患者の2割が自然治癒するが、その場合には理論上は扁摘パルスが過剰治療となってしまうが、その2割を予測することは不可能。過剰治療による不利益(副作用など)と、治療不足による不利益のどちらが深刻かを考えた場合、不足治療による不利益のほうが大きい

まだまだ、重要なこともこの記事に掲載されているので、患者さんはぜひ一読ください。

http://www.iga.gr.jp/pdf/4494p034_041meet13.pdf

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2010年5月22日 (土)

尿蛋白のみはマクロファージが原因

昨日は通院日。

検査結果は良好(尿蛋白・潜血陰性)。クレアチニン値がわずかに上昇(0.83mg/dl、ほとんど誤差の範囲)であったが、先生は筋肉量によっても変わると言われた。

確かに思い当たることがある。毎日実施している踏み台昇降の台を12cmほど高くしたのだ。最初はきつかったけれど、太ももの筋肉がついたためか楽にこなせるようになった。食事で摂取している蛋白質も以前よりは多めなので、筋肉がつきやすくなっている。

以前から疑問に思っていたことが、先生の説明から解明した。

私は風邪や副鼻腔炎がひどくなると、自宅での検査でわずかに尿蛋白が増える。けれども、扁摘パルス退院3ヶ月後に尿潜血が陰性化して以来は、病巣感染があっても潜血は出ない。

IgA腎症が発症した際にも、潜血よりも尿蛋白が先に出始めた(通常はこの逆のケースが多いらしい)。

それは、潜血には好中球が関係しているとのことであった。尿蛋白だけの場合はマクロファージが原因となっていて、わずかな炎症の場合はマクロファージが腎臓に付着し尿蛋白のみが出るそうだ。

副鼻腔炎には現在、微酸性電解水と梅肉エキスを、ときどき使い分けて併用している。昨年までは、塩化亜鉛を使用していたが、先生がおっしゃるには微酸性電解水は塩化亜鉛のように皮膚を焼かないので量を多めに使ってもよいそうだ。

2週間ほど前から微酸性電解水を使用しているが、私の鼻の菌には微酸性電解水が効き目があるようだ。

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2010年4月14日 (水)

扁摘パルスを取り巻く医学界の状況

友人から勧められた本、「傷はぜったい消毒するな」を読んだ。

あらかじめお伝えしておくが、必ずしもすべてのケースに対して、消毒をしてはいけないと警告する本ではない。適切な消毒が必要な場合もある。

著者は、熱傷専門医であり、従来の「消毒して軟膏ガーゼで創面をガーゼで覆う」という治療を問題視し、ヤケドを消毒せずラップを用いた「湿潤治療」を提唱している。ケタ違いの治療効果があり、治りも早く、痛みもない。

それなのに、いまだ痛くて、治りの遅い治療しか施していない熱傷専門医が多い状況を憂えている。

この書籍を読んでいて、現在のIgA腎症治療と非常に似通っている、医療業界を取り巻く環境を説明する文章につきあたった。開拓者にはつきものの周囲との対立の構図を、見事に表現している。

本文をIgA腎症治療や扁摘パルスの状況に置き換えてみた([ ]内はもとの言葉)。

----------------------------
ところが、
IgA腎症の治療[熱傷の治療薬]に関する限り、このような淘汰が起きていないのである。<省略>この異常事態をなぜ腎臓内科[皮膚科]の先生方が問題にしないのか、私は不思議でならない。
古い時代の
カクテル治療[軟膏]、古い時代の治療手技をそのまま引きずっているのが現在のIgA腎症[熱傷]の標準的治療である。

これをたとえて言えば、最新式の車に手動式の方向指示器がついていて、車内灯の代わりに提灯がぶら下がり、木炭自動車の木炭用タンクがついているようなものだ。しかし、車の設計者も製造業者もそれを普通だと思っているし、購入したユーザーもそういうものだと考えていて、手動式の方向指示器で車線変更の合図をし、暗くなれば提灯を灯し、使ってもいない木炭用のタンクを邪魔にも思っていない。

おまけに学会に行くと、手動式方向指示器を開発して有名になった教授や社内用提灯の発明で学会の理事になった先生や木炭自動車を開発した大学医局の関係者が大勢いるわけだ。

だから提灯はちょっと古臭いのでは、なんていう意見を言おうものなら「俺の提灯を否定するとはどういう魂胆だ」と一喝されるし、木炭用のタンクをなくしてスペースを広く使おうという新車が販売されそうになると「俺の目の黒いうちはタンクをなくすことは許さない」と恫喝されることになる。

<省略>
そして、何より、
扁摘パルス[湿潤]治療を認めることは、自分たちが行っている治療が間違っていたと認めることになってしまう。要するに、扁摘パルス[湿潤]治療の普及はIgA腎症[熱傷]治療を実施していない[の教育機関としての大学]病院を無価値なものとしてしまう。これはまさに天動説の知識が地動説の時代になって全く無意味になったのと同じであり、パラダイムシフトが起こる出来事の典型と言える。

だからこそ腎臓[熱傷]学会も腎臓[熱傷]専門医も扁摘パルス[湿潤]治療を認めるわけにはいかないし、むしろ全力で従来の治療の正当性を声高に主張するだろう。そして、扁摘パルス[湿潤]治療のトラブルを見つければ針小棒大に騒ぎ立てるはずだ。自分たちの立場を守ることに汲々とし、患者を守るための医療という大原則をどこかに置き忘れてしまうのだ。
----------------------------

医学界では、それまで世界中で標準とされてきた治療法が、新たな治療法の出現によって否定される現象が起きつつある。

ただし、すべての患者がその恩恵を受けるには、まだまだ時間がかかる。患者を幸せにする治療法の浸透を邪魔する集団、古い考えに固執し自己の立場を守ろうとする専門医がいるからだ。

患者がそれらの医師に新しい治療を求めようとすれば、彼らは新しい治療法に対して「いかがわしいもの」、「怪しい治療」、「マニアックな説」として否定し、遠ざけようとする。

まったく憂慮すべき事態であるが、普及の過程においては、患者自身が情報収集し、大切な自分の体を守ってゆくしか方法がないようだ。

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2010年2月21日 (日)

片腎のフィギュアスケート選手

オリンピックシーズンはどうしても気になるので、ヤフーの速報をモニターの1/4ほどのスペースに開きながら仕事をしている。

モニターのスペースが作業場であり、19型ワイドを使用しているが、常時6~10個以上のファイルやアプリケーションを立ち上げキーボードを叩く環境の中での、スペース25%は大きな比重である。

速報を自動更新にしておけば、競技の最新情報を見ることができるので、チラチラと横目で見ながら「この選手はテレビで見なければ」という場面になるまで、PCに向かって仕事を継続できる。

一昨日は、男子フィギュアスケート。

高橋大輔選手を含む日本人男子を応援していたのはもちろんだけれども、外国勢ではブライアン・ジュベール(仏)を応援していた。実績・実力からしてもメダル候補。エールを送るのは、イケメンで4回転ジャンプに果敢に挑戦してくるという彼の姿勢に共感しているからだけではない。

彼は、なんと片腎の選手なのだ。腎臓に関係があると妙に親しみを感じてしまう。

ブライアン・ジュベールは生後11か月に片方の腎臓を感染症で摘出している。普通の人の半分の腎臓でも、ここまでがんばれるのだと思うと、「自分もまだまだやれる」という気がしてくる。

残念ながら、今回のオリンピックはショートプログラムから不振、結果は18位。現在25歳、フィギュアスケート選手としては熟年に入る。オリンピックはこれが最後だろうけれど、可能ならば今後もテレビの画面でジュベールを見続けたい。

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2010年1月16日 (土)

IgA腎症発症から10年後の扁摘パルスで寛解(meiさんのケース)

昨日(1/22)は成田記念病院への通院日。尿蛋白・潜血ともに陰性。クレアチニン値は0.78mg/dlと、尿検査、血液検査は良好。

鼻咽腔炎の塩化亜鉛の塗布に加えて、副鼻腔炎の治療もしていただいた。右の鼻の穴の奥5cmほどのところに炎症があり、膿や血のにじむところがあるため、長い綿棒にて消毒。

-----------------------------

ブログをご覧になっているIgA腎症の患者さんが扁摘パルスの治療を受けた後に寛解したという報告を聞くのは、私にとっても大きな喜びのひとつでもある。

meiさんは、10年前にIgA腎症を発症し、医師から「治ることのない病気」と聞かされ長い間、進行遅延の薬療法を受けていたが、医師の言葉に理不尽を感じたことから、昨年8月に堀田先生のもとに転院、すぐ扁摘パルスを受け、羅病期間が長かったにも関わらず、今年の1月という早期に寛解された。何がきっかけとなるかわからない。

このようなご自身の体験をお伝えしていただけることは、同じIgA腎症患者さんにとっても励みになり、病気に向き合ってゆく勇気を与えてくれる。

━━IgA腎症になられるまで検査結果と、腎生検の診断確定の状況についてお教えいただけますか。当時の主治医の考えはどのようなものでしたか。

10年前に、大学の春の健康診断で潜血、蛋白尿の陽性反応がでたため、近隣の病院を受診しました。

当時は現在と違い、検査結果をプリントアウトして病院から渡されるということはありませんでした。正確な数値についてはわかりません。いちばん大切なところなのですが…。ただ、炎症の程度が強かったことは聞いています。

腎生検後の診断は予後比較的良好群に属し、将来とも透析の心配はないとのことでした。そのような診断にも関わらず、私は大変将来を悲観して、嘆いたことをよく覚えています。

透析の心配がないということがなにを意味するのか、また、腎機能の落ちていく仕組みについての説明もなく、ただ「不治の病です、原因はわかりません。透析にはならないと思います」という説明だったので、置かれている状況が理解できませんでした。

私も家族も、その医師の説明を完全に理解、あるいは納得したわけではありませんでしたが、治療の方法は病院の医師たちのチームで出した結論であり、その方法が最先端であるという説明があったので、受け入れることにしました。

今だったら、このような説明では決して納得しませんが…。また、10年前はセカンド・オピニオンという言葉自体も一般的ではなかったように思います。

その後、すぐにステロイドの治療に入りました。半年間プレドニンを服用したところ、大変効果があがり、蛋白尿は0.2g/日程度まで回復し、試験紙では陰性化することも多かったのです。

当時の主治医によると、IgA腎症の場合、0.5g/日を目標としたいとのことでしたので、好成績だったと思われます。その後、ステロイドを減量し、中止しました。

ただ、ステロイドを中止した時点でいずれの診断もありませんでした。「寛解」や「欠損治癒」もしくは「治りました」等の言葉、あるいは「今、病状が落ち着いているだけです、治ったわけではありません」等を聞いていれば、その後の方向性を見出すことができたかもしれません。

━━扁摘パルスを決断するまでの経緯は?


長期間、潜血、蛋白ともに1+程度で落ち着いていましたが(今思うと恐ろしいのですが、そのような状態で落ち着いていると思っていました)、ここ1年ほどの間に潜血、蛋白の数値が上がってきました。また10年前とは違い、IgA腎症の治療方法をめぐって様々な発展が起こっていることをネットなどを介して感じました。その情勢を鑑み、改めて大学病院の医師に扁桃腺摘出をお願いしたい旨、申し出ました。

しかしながら、私の検査結果(2009年5月採取)を見る限り、潜血がないので(実際はありました)、扁桃腺摘出の対象とはならない、糸球体毛細血管炎はすでに燃え尽きた状態である、という説明でした。

それには当然納得がいかなかったので、大学病院からの帰りの車中で病院に予約を入れました。そして堀田先生に診察していただくことにしたのです。

幸いにも受診のキャンセルがあったそうで、あまり待たずに診ていただけることになったのも大変幸運でした。

━━ご家族からは扁摘パルスへの理解をすぐに得られましたか?

より良い、積極的な治療を受けられるとのことなので、皆で相談し、納得しました。

━━入院中はどのように過ごされましたか?不安や期待などいかがでしたか。

扁桃腺摘出手術に関してはすべて順調だったため、これといった問題はありませんでした。

ステロイド・パルスでの入院中は、様々な情報が耳に入ってきましたので、悲観したり、楽観したりと感情が揺れ動いてしまうこともありました。検査結果にも一喜一憂してしまいました。

━━治療での副作用はいかがでしたか。どのように対処されましたか。

ニキビが少しありますが、軽度なのであまり気になりません。
薬を処方して頂きましたので、治ってきています。
他には気になる副作用はありません。

以前の治療では、副作用に悩まされましたので、今回の治療では、快適に日常生活を送れたことはとても幸せなことだと思っています。

━━入院中、そして退院後の尿所見の経過、血液検査結果はいかがでしたか。

扁桃腺摘出手術後、一時的に潜血・蛋白尿ともに3+、1.5g/日(蛋白尿)まであがりました。その後はパルスを受け下記の通りに改善してゆきました。

2009年8月
・パルス1クール後
  潜血2+、蛋白0.5g/日
・パルス2クール後
  潜血2+、蛋白0.4g/日
・パルス3クール後(退院時)
  潜血1+、蛋白0.3g/日

・退院後10日目の診察時
  潜血1+、蛋白-
・退院後1ヶ月と10日目の診察時
  潜血±、蛋白-
・退院後2ヶ月目の診察時
  潜血±、蛋白-
 (塩化亜鉛の塗布の実施)

2010年1月
・退院後4ヶ月半目の診察時
 潜血-、蛋白-

━━寛解されたことで現在の生活において変わったことはありますか。

大きな枷(かせ)から解放されたような感覚はあります。ただ、今回の治療と堀田先生への感謝の気持ちを大事にしたいので、入院中以上に体調に留意しつつ、大切に一生を送りたいという気持ちが強くなりました。

生活上の具体的な変化はあまりありません。

━━病気になったことは不幸ですが、この体験は大きな意味があり、後の人生をきっと豊かなものにしてくれるはずです。

病気になったり入院して初めて気づくことがあります。晴れて寛解になった後は、「病気になったことも、寛解したことも、これは『神様からの贈り物』だった」と思えます。病気で苦しみ、悩むことで、心身を浄化させてもらえたのだと。

今だから、そう信じることができます。私がこのブログを運営しているのも、健康になってしまうと忘れがちな、治ったときの感謝の思いをずっと持ち続けたいという意志の発露からです。

IgA腎症の患者さんへのメッセージがございましたら、お願いいたします。

私は発症してからの期間が長期にわたっていたため、寛解および欠損治癒という治療目標を半ばあきらめたまま、堀田先生のもとを訪ねました。そのような状態にならずとも、腎機能を少しでも長持ちさせられれば、という消極的な気持ちでした。

しかしながら、「寛解するかどうか、ぎりぎりのところだが、とにかくやってみよう、きっと良くなる」と堀田先生に積極的な治療を勧めていただきました。
その言葉をいただいたときに胸がいっぱいになってしまいました。

前医のもとでは、「不治の病」と言われており、一生逃れられないものと思っていました。

少しでも早く扁桃腺を摘出したほうがいいとの堀田先生のお考えのもと、初めて病院に伺ったその日のうちに先生自ら耳鼻科に予約をとってくださり、同日中に手術の日程が決まりました。

再度堀田先生にお目にかかったときにはもう治るための準備、という希望に満ちた感覚の中にいました。

━━堀田先生の行動の素早さは、あちこちで耳にします。私の場合も最初の受診中にすぐに、耳鼻科の先生と連絡をとってくれて、扁摘のためのスケジュールが、あっというまに決まりました。

常に患者さんが最善の可能性を享受できるよう、その場でできる限りのことを、即座に臨機応変に実行、対応してくれます。

実際の治療は扁桃腺摘出手術、ステロイド・パルスを入れてちょうど1カ月間を要しました。私の場合、パルスを終えて10日目には蛋白が陰性化したので、それまでの10年をたった1カ月と10日で塗り替えてしまったという印象があります。

そのくらい、私にとって今回の治療は劇的な効果をもたらしてくれるものでした。

もし、昨年の5月の時点で大学病院の治療方針に従っていたなら、今頃は降圧剤を服用しつつ、腎機能が静かに落ちていくのを眺めていただけだと思います。

寛解して欠損治癒の状態となった今、日常生活には制限は全くありません。食事制限もありませんが、運動に関しても何をしてもかまわないとのことです。全く世界が変わってしまいました。

尚、今後はステロイドを急速に減量し、予定よりも4カ月早く投薬が終わることになります。ステロイドから早期に解放されることも嬉しく思っています。

Nigaoe_ss_510年前といわず、現在でも、腎炎の進行遅延の治療しか受けられない人々が依然として多い。meiさんが長い羅病期間にも関わらず扁摘パルスで寛解したことは非常にラッキーなことだ。もちろん、扁摘パルスを受けるまでに、進行遅延ではあっても前医の腎臓を守る治療によって、腎機能をある程度は維持できたことは、その後の扁摘パルスでの寛解に貢献していたといってもよいだろう。

中には、腎炎の進行が非常に早く、発症数年でも扁摘パルスでの寛解に手遅れという方々も少なくない。そのようになる前に、ぜひとも患者自らが現状の治療を見直し、自分は今何をすべきか、前向きに行動をとっていただきたいと願う。

私は医療の臨床比較試験報告書などを翻訳する中で、現在の医療が、なんともエビデンス偏重に傾いていることかと危惧を感じることがある。中でも罪深いのは、比較試験の方法、患者の登録基準、割り付け、試験期間、測定方法、統計解析など、あらかじめ試験実施者が望んでいる結果を出せるように、実施されているようなものである。

昨年ある大学病院が厚労省の支援を受けて実施したIgA腎症の扁摘パルスの比較試験は、まさにその目的のものだ(「扁摘に有意性なし」と、自らの治療方法を正当化させるアリバイ作りのための臨床試験)。こんな臨床試験に、今問題になっている国のお金を無駄に使って、しかも将来、患者に不利益を被らせるような報告結果を出していることに非常に腹が立つ。

無駄なだけでなく患者の透析の可能性や国の医療費を増大させるような試験にお金を投入するくらいなら、そのお金、私にちょうだい。そうしたらIgA腎症の患者さんの治癒の活動のために、もっと有意義に使ってみせる。

また、製薬会社の市場獲得での利益が優先されていると思うような比較試験さえある。一般の人々はこのような事実を知るよしもない。

これら試験結果を現場の医師は利用せざるを得ず、本当に患者にとって意味のある治療が退けられているとしたら、今の医療に発展はない。EBMに基づく医療だけでは医師は患者を救えない。枠やしがらみにとらわれず、一人一人の人間として、どうしたら目の前の患者の病気を治せるのか、真剣に向き合ってほしい。

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2009年12月21日 (月)

扁摘パルス後の鼻の炎症を梅肉エキスで治す

IgA腎症患者で扁摘パルスを受けた後に、尿所見に異常(潜血)が継続しているとしたら、扁桃以外にも一次疾患となる病巣を宿していることが原因だ。

仙台方式では扁摘パルスで潜血が消えるのは8割(羅病期間が長くても潜血は消える)。潜血が消えない残りの2割は、さらなる病巣感染の徹底的な根治治療が必要になる。

ところが、それら扁桃以外の病巣感染については、現在のところ、腎臓内科医は積極的に見つけ出そうとしない。専門外のこととなると腎内医師は関心をもたないのだ。

というか、現在の萎縮医療(保身医療)の傾向のせいか、医師は義務以上だと思うこと、リスクの可能性があると思われることをできるだけ回避しようとし(訴訟リスクのあるモンスターペイシェントの急増で医師は「余計な世話など焼かないほうが身のため」と士気が低下)、あえて自ら試みようとしない。

深層に「患者の病気を治してやりたい」という、本来、臨床医が持つべき志が欠けてきているのではと感じられる。

それでも、いまだIgA腎症の発症メカニズムを理解できずに臨床に生かせない扁摘否定派に比較したら、扁摘パルスを実施している腎内医師のほうが罪は軽い。

私は、扁摘パルスや鼻炎の治療後、尿所見の改善とともに細菌による皮膚病(バージャー病)や肩関節の痛みも治癒していることから、IgA腎症も病巣感染が引き起こすことを確信している。一患者としては、腎内医師の多くが日々患者を診ていながら、これら症状からIgA腎症と細菌感染とを関連付けできないことのほうが不思議だ。

IgA腎症に関する考え方や治療方針が医師によって、これほどまでに異なる疾患であるのだから、患者は今のところ、自らその一次疾患をつきとめなければならないわけだ。

そんな中、病巣感染とIgA腎症との関係を理解する病院も出てきているようで、「腎生検の際に、扁桃とともに、鼻や歯の炎症について調べてもらった」という、病巣感染に精通した病院の話も聞く。できれば、このような医師のもとで扁摘パルスを受けたいものだ。扁摘パルスで寛解した後にIgA腎症の再発があったとしても、医師が発症メカニズムを理解していれば、何が原因となっているのかをつきとめてもらえるから心強い。

扁桃以外の一次疾患で多いのが、1番目に鼻の炎症(鼻咽腔炎、副鼻腔炎など)、2番目が歯の炎症(齲歯、歯周炎など)である。

私はパルス入院中は塩化亜鉛の鼻咽腔への塗布を受け、退院後は塩化亜鉛の点鼻を自分でしていた。

塩化亜鉛の点鼻は、多量に長期間継続すると人によって臭覚が鈍くなることがある(使用を中止すると元に戻る)。そのため、私は1ヶ月ほど塩化亜鉛の点鼻を中止していたが、風邪をひいてしまったこともあり、副鼻腔炎による右鼻のつまりを感じていた。

すると、たまたま堀田先生から梅肉エキスの点鼻についてお教えいただき入手した。

実は今年初めのパルス入院中に梅肉エキスのうわさは聞いていて、私もずっと試したいと思っていたものだ。

果たしてその梅肉エキスの有効性は…

手間かかる割に(使用のたびに梅肉エキス入りの乾燥した綿にお湯をしみこませて、小さなボトルで吸い取る作業)、効果ないじゃん。期待していたのに。液が鼻にうまく回ってないのかなぁ。よし、1回分を全部、右鼻に入れてみよう。

今度は仰向けになった状態で液の全部を、つまりのある右鼻のみに注入してみた。

すると、しばらくして鼻の通りがよくなってきたのだ。スゥスゥと空気が鼻から喉へと、しっかりと貫通する。副鼻腔炎での腫れがひいたことを実感できた。

私は、最初の2週間、使い方を誤って使用していた。2日に1回の頻度で点鼻していたのだ。

製造販売元のアダバイオに電話すると、担当の大澤さんが、正しい使用方法についてていねいに説明してくださった。

理想的なのは、朝と夜1日2回の点鼻で、やはり寝た状態であごを少し上にむけた姿勢(5分間)が、患部に液がゆきわたるそうだ。喉に下がってきた液はそのまま飲んでも大丈夫。

夜は、入浴後の鼻水がしっかりとれた状態で点鼻するとさらに効果が高まるような気がする。また、もともと、梅肉エキスには血流改善効果があるようだ。

梅の効能は健康に関心のある人であれば、ここで例に挙げるまでもなく、よく知っていることだろう。

この梅肉エキスは青梅から抽出されたもので、堀田先生と群馬県のアダバイオが2年の開発期間を経て、最近商品化されたものであり、「ミサトール リノローション」という。群馬県は梅の産地でもあり、アダバイオは地元産の青梅を原料とした商品に注力している。

開発期間中、IgA腎症以外にも10数種の自己免疫疾患(リウマチなど)をもつ患者さんに、この梅肉エキスが試され、いくつかの疾患に効果を得ているそうだ。

梅肉エキスの良い点は、塩化亜鉛の点鼻では堀田先生の受診をしていないと処方してもらえなかったが、これは、現在、全国の医療機関で購入できるようにすすめていることだ。また、梅のエキスを使用しているため、塩化亜鉛に比べて刺激もほとんどなく嗅覚に影響もない。

これまでミサトール リノローションは、堀田先生受診の患者さんが中心であったが、今後は、フリーダイヤルでの注文に加えて、ネット販売や薬局での市販も検討しているとのこと。

鼻咽腔炎、副鼻腔炎がある方には、ぜひともお試しいただきたい。詳細は下記フリーダイヤルまたはホームページまで。最初は容器付きのパッケージの購入が必要であるが、次回からは洗浄剤のみですむ。

梅肉エキス鼻洗浄器剤について
商品名:「ミサトール リノローション」
Tel:0120-87-0615

http://www.adabio.co.jp
会社名:AdaBio(アダバイオ)株式会社
担当:大澤さん

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2009年12月 9日 (水)

プレドニン終了後も風邪に注意

不覚にも風邪をひいてしまった。

これまで、扁摘後にプレドニンを飲んでいたにもかかわらず風邪を1度もひかずにきたのに、今回の風邪のおかげで「風邪をひかない更新記録」がパァだ。非常にくやしい。

プレドニンが終わるので、油断していた。薄着で買い物に出かけたり、エアコンの低い温度のままスケート競技を連夜見ていたりしたため、このところ2回続けて風邪になってしまった。

扁摘をしているので、さすが喉は痛くならない。鼻水がたくさん出て、頭痛がした。関節のふしぶしがきしんだ。

尿試験紙では潜血は陰性、尿蛋白が(±)~(1+)に増えたが、現在は元に戻りつつある。

それでも扁摘をしていると、風邪の重症化を防げる事を実感した。

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2009年11月20日 (金)

読売新聞『医療ルネッサンス』腎臓病記事の取材

読売新聞、医療ルネッサンスへの掲載日が決まりました。

11/25(水)朝刊です。

★★★★★★★★★★★★

昨日、読売新聞東京本社の医療情報部の記者さんが、遠方から私の自宅に見えた。2時間半ほど取材を受けた。前日にブログをご覧になったとのことで夕方に連絡を受けたが、次の日にすぐに来られるとは、さすがに記者の方は腰が軽いと感じた。

私は外出する場合、最低3日前までには予定を立てないと、重い腰を上げる気がしない。

後におっしゃるには、ニュースを担当していたときは、「その日の終わりにどこにいるのかは予想がつかないことが多かった」とのこと。事件があるところに真っ先に駆けつけなければならない職業だ。そのような記者魂には、頭が下がる。

『医療ルネッサンス』のコーナーで、来週水曜日から腎臓に関する連載が始まり、その中のひとつとして、IgA腎症の扁摘パルス治療に関する記事に採り上げられるそうだ。

私の部屋で撮影していただいた写真と実名(まぁ、自営業なので実名でもいいかなと)で掲載される予定。

新聞掲載の日が決まったら、またブログ上でお知らせしますね。

PS. 3年前の9月からブログを開始して、3年ちょっと。11月中旬にアクセスカウンターが30万を超えた。今年は記念すべき事が多い。カウンターが100万を超える頃には、扁摘パルスが標準的な治療として広まっていてほしいと願う。

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2009年10月25日 (日)

扁摘パルスとIgA腎症の寛解率

1年前は未だ地元の病院の腎臓内科に通院していた。私は予後比較的不良群で、ここには約2年半通ったが、そのときの主治医からは、「扁摘パルス受けたとして寛解率は4割(実はこれは後に正確な数値でないことが判明)、受けずに予後比較的不良群で透析になる人も4割。だから扁摘パルスを受けてもそれほど変わりはない」と聞いていた。

この説明にはすんなり飲み込めない矛盾を感じていた。予後比較的不良群で透析になる人が4割ならば、かろうじて一生のあいだに透析を避けられた人が6割ということになる。けれども、この6割の人はIgA腎症が治ったわけではない。

その6割は依然として「感染病巣は持ち続け、腎炎を進行させながらも生きている間はなんとか透析を受けずに人生をおくれるかもしれない」という人たちなのだ。いつか透析になるかもしれないという不安をいつも抱えている。

一方、寛解すればIgA腎症と縁が切れて、人生が劇的に変わる人が多い。不安を抱え続けるのか、IgA腎症から解放されて人生を送るのかの違いは大きい。

主治医が扁摘パルスを勧めない(実績がないので扁摘パルスの効果をわかっていない)、あるいは患者が扁摘パルスを躊躇してしまう(副作用が怖い、長期入院のための時間がとれないなど、これについては「扁摘パルスへの道を阻む10のハードル」を参照)、このような環境がいまだあることは非常に嘆かわしいことだ。

どんな病気でも成功率が半分以下だと知れば、躊躇する。特にIgA腎症では日上生活には支障がないので、さしせまった問題としてとらえない。希望にすがって治療を受けた後に落胆する確率が大きいとイメージしたとたん尻込みしてしまう。無理もない。

この「扁摘パルスの寛解率は4割」という数字は、ネット上での掲示板でも目にしたことがあるので、この世界では一般的によく知られている数値と思われる。おそらく私以外にも、主治医からこの数値を聞いたことがある患者は少なくないだろう。

寛解率は4割が広くまかりとおっているのは不甲斐ない。これは腎学会が3年ほど前に実施した扁摘パルスのアンケート調査の結果に基づくものらしい。しかし、実際は扁摘パルスを受けた患者の寛解率は、“治療が適切であれば”、もっと高くなる。

羅患期間の短い早期に扁摘パルスと適切な治療を受けることができれば、ほぼ寛解するといってよいだろう。IgA腎症と確定されたのであれば、経過観察している時間は無駄になるどころか、寛解率を低下させる。早ければ早いほど、寛解の可能性が高いのだ。

もしあなたの主治医が、あなたに尿蛋白と潜血が継続しているのに腎生検をしない(片腎や腎不全、全身状態の異常で腎生検のリスクが大きい場合を除く)、そして、腎生検でIgA腎症と確定したのに扁摘パルスの治療をすすめないとしたら、その医師に寛解させる技量はないと考えたほうがよい。昔ながらのカクテル療法で腎炎の進行遅延をさせる方法しか知らないか、経験不足のため効果を出す扁摘パルスを実施できていないからだ。

さらに例え、IgA腎症を発症してから10年以上経っていたとして、あきらめてはいけない。私はこれまでに何度もそのような方の寛解した例を聞いている。ただし扁摘パルスを受ける病院選びは慎重にしよう。

また扁摘に年齢制限はない。医師によっては50歳までという考え方をもっているケースもあるようだが、それ以上の年齢でも実施されている。ただし、扁摘からの傷の治りは若ければ若いほど早いし、痛みも少ない。

アンケートの結果が、決して高いとはいえない4割の寛解率にとどまったのには、下記の理由が考えられる。

1. 適切なパルス治療が実施されていない
2. 寛解に手遅れの患者の症例も含まれる

  *この場合の扁摘パルスは進行遅延の治療となる

3. 個々の患者がもつ病巣の根本治療がなされていない

このような症例を含むデータからの算出結果と、「全体の何割が扁摘パルスを受けて寛解するのか」を見ることは、患者にとっては何の意味もないのだ。

それを有効な調査結果として、医師が臨床の場に用いて判断すること自体に問題がある。しかし、やってみなければ扁摘パルスの効果があることを医師は実感できないので、実績のない医師はこのアンケート結果に頼らざるを得ないわけだ。

堀田医師の著書「IgA腎症の病態と扁摘パルス療法」では、扁摘パルスを受けた症例の寛解率について、さまざまな層別化(腎機能、羅病期間、年齢などの各種因子をクロス)がなされ、その結果についての理由が説明されている。

医師であれば、同著を参照されたい。

<●適切なパルス治療が実施されていない>
扁摘パルスの方法では、いわゆる仙台方式が効果の点で優れている。ところが中途半端な治療もアンケートには含まれている。

仙台方式ではパルスは3週連続の3クール実施される。一方、施設によってパルスが1クールのみだったり、Pozzi方式(パルスの間隔が1~2ヶ月のためその間に炎症が再発しやすい、急速進行性腎炎では効果なし)だったりで、効果が低いパルスを実施した施設のデータも調査対象となっているのだ。

私は炎症がひどく、急速進行性腎炎になってしまったため、パルス4クールを実施していただいた。おかげで、退院5ヶ月後という早い時期に寛解を迎えることができた。

患者の状態からパルスの回数を判断できるだけの経験値と技量をもった医師にかかれば、寛解を早く導き出せるのだ。

<●寛解に手遅れの患者の症例も含まれる>
アンケート対象には、すでに腎臓の組織の損傷が大きく、寛解には手遅れで尿蛋白が残った症例も存在する。扁摘で病巣を取り除き腎炎を抑えることができても、すでに糸球体組織の硬化が進んでいて、尿蛋白が壊れた組織が漏れ出る。

もちろん、寛解には手遅れであっても扁摘パルスを受けることで、ほとんどは炎症がなくなり潜血も陰性化する。早期であっても、発症からの期間が長くても潜血は消失する。透析の時期を遅らせることができるし、何より病巣を体から排除させることは、他の病気を誘発させないためにも重要である。

<●個々の患者がもつ病巣の根本治療がなされていない>
扁摘パルス後(2年後)に潜血が残る場合は、菲薄基底膜病(この場合は予後は良好で、治療の必要はない)を除いては、扁桃病巣の取り残しあるいは扁桃以外の病巣感染が原因として考えられるといわれている。

扁桃以外の病巣感染は、当ブログでもしつこいほど書いているが、鼻の炎症と歯の炎症である。

私はパルス入院中に、鼻咽腔治療である塩化亜鉛の塗布も並行して行ってもらった(現段階では、この治療ができる腎内医師は堀田医師以外にはいない。仙台社会保険病院、新宿の大久保病院、豊橋の成田記念病院で可能)。

歯の炎症については、私は入院前に抜歯をしていたため根治治療すべき箇所は、ほぼやっつけることができた。パルスやステロイド服用治療に入ってしまうと、たとえ歯の炎症があっても抜歯にはリスクがともなうため、すぐに治療できない。しかも、ステロイドで免疫力が下がった状態の中、逆に虫歯や歯の炎症が悪化することもある。

できれば入院前に歯科医で虫歯や炎症がないか、レントゲンをとってもらい影がないか確認したり、歯垢をとってもらうことをお勧めする。

腎内医師の多くが未だIgA腎症が病巣感染が原因となっていることを理解していない。だから、病巣の根本治療に関心をもっていないし、上記を見極められないのだ。

主治医の考え方一つで患者の将来が決まってしまう。IgA腎症患者は主治医まかせではいけないのだ。

それでも、まだ日本では扁摘パルス実施機関が増えてきているため、IgA腎症患者の選択の余地がある。海外では、それさえままならず、扁摘パルスを受けられずにいる。そこでは、予後不良の患者さんには、悲しくも数年後の透析や腎臓移植の道しか残されていないのだから。

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2009年9月20日 (日)

IgA腎症寛解2ヶ月め、尿蛋白、潜血ともに陰性

一昨日は成田記念病院への通院日。2ヶ月前にすでに、私のIgA腎症が寛解したとのお言葉をいただいているが、まだまだ安心はできない。

検査結果は題名の通り、尿蛋白も潜血も陰性だった。一生、この状態を保ち続けたいものだ。

推定1日尿蛋白は、0.24g。前回が0.11gだったため、今回増えているが、あくまでも推定値のため、堀田先生は誤差の範囲内だとおっしゃった。

自宅での尿試験紙検査でも、尿蛋白と潜血の部分の色がほとんど変化しないので、大丈夫だろう。

プレドニンが1錠に。あと2ヶ月で終了だ。

帰りの電車に乗った際、おもしろいことが起こった。

私が空いている席に座って、1分ほどすると両隣の人が続けて立ち去ってしまったのだ。最初に左側の人が離れた際は、きゅうくつでなくなってよかったと思った。

ほどなく、右側に座っていた人も別の車両へと向かった。

さすがに「私、何か悪臭を放ったのかな?」と考えた。

そうではなかった。手には病院の検査結果が開かれていた。そしてマスク(外出の際はいつもマスクをつけている)。

この状態を見れば、新型インフルエンザ患者だと思われてもしかたがない。もし咳などしたら、半径3m以内の乗客が席を離れただろう。

新型インフルエンザの流行が騒がれているにもかかわらず、電車の中でマスクをしている人はほとんど見かけない。さすがに病院では、看護師さんや患者さんがマスクをつけているが、それでも人数からすれば1/3にも満たないほどだ。

マスクを大量に買い込んだという話はよく聞くけれど、まだ日中は気温が高いため、暑苦しいマスクを装着する気にならないのだろう。

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2009年9月 8日 (火)

病巣感染を考えるフォーラム

昨年7月に参加した「病巣感染を考える」フォーラムが10月11日(日)に開催される。私はこのフォーラムで体の中に感染部位をもつことがいかに悪影響を及ぼすか、また、さまざまな疾患を誘発させること、菌が別の菌を呼び寄せることの恐ろしさを学んだ。

そして、歯、口腔内の健康を維持する大切さについて頭の中に刻み込んだ。

また、堀田先生の講義でのスライドのビデオで、外見は何の異常もない扁桃腺をメスで切り取ると、白い菌の塊がニョロリと出てくるさまに圧倒された。

まさか、自分もそうなのかと思ったが、その通り、その後に扁摘をすると菌塊があり、癒着もひどく、IgA腎症の原因のひとつとして大きな影響を与えていたことがわかった。私の場合は、扁桃が埋没型であることから、外見からは医師は扁桃に炎症があるのかどうかは判断できない。

IgA腎症の進行とともに、蕁麻疹がひどくなっていったが、昨年は歯(根管治療と抜歯)、今年になって扁摘、副鼻腔炎や鼻咽腔の治療など、病巣の徹底的な根治治療を行ったところ、蕁麻疹が出なくなっている。

やはり、体内に感染があると皮膚疾患をも起こすのだと実感した。慢性腎炎で蕁麻疹をも併発している患者さんはけっこういるようだけれども、それが病巣感染からきていることは医師であっても理解していないことが多い。

皮膚科のクリニックに通院していたが、ただ薬を処方してもらうだけで、根本的な治療をしてもらったことはない。医師は蕁麻疹にはさまざまな原因があり、いつのまにか治ってしまうひともいるというが、特に蕁麻疹の原因を究明しようという姿勢がなかった。

腎内医師でさえ、いまだにIgA腎症と病巣感染の関係を理解していない方が圧倒的に多いのだから、無理もない。

私自身もアレルギー体質だから仕方がないのかと、以前はあきらめ気味であった。

また、蕁麻疹は直接、命にかかわる病気ではないとの認識からか、薬を処方し続けることで施設の運営を成り立たせているように感じるところもある。

これではいつまでたっても治らない。それどころか体内に病巣を持ち続ければ、腎臓の炎症や皮膚疾患だけでなく、脳、心臓、血管といった体の重要な器官の疾患をも併発させ、命を落とすことさえあるのだ。

蕁麻疹でさえ、決して軽く考えてはいけない。

加えて、病巣があることで、インフルエンザや風邪などの感染症にかかりやすくなるのだ。そして、重症化しやすい。新型インフルエンザの国内での死亡者の一人目と二人目の方は、透析を受けられていた。腎臓病の種類までは聞いていないけれども、おそらく、病巣感染をずっともたれていたことだろう。

また、3人目の死亡者の方は心疾患の既往をお持ちだった。

腎不全になってしまっても今は透析があるから、それで死ぬことはないが、病巣を体内に宿したままでいると、ありとあらゆるリスクが起こる。

扁桃腺は免疫をつかさどる器官であるから、除去しないほうがよいという考え方の医師もいる。実際、そのようなことを医師から聞いたこともある。

これは完全に誤りだ。

むしろ、感染した扁桃をもっていること自体が、感染症を誘発させているのだ。現実には扁摘をしたほうが、逆にその後は風邪やインフルエンザなどの感染症の発症リスクが抑えられる。この事実を知れば、扁摘を躊躇する理由などなくなる。

今回のフォーラムは主に歯と皮膚疾患との関連についての講義が行われる。

また、第2部のグループ懇話会では、1時間ほどグループ別に分かれて質疑応答の時間も設けられている。堀田先生も参加される。IgA腎症で気になることがある方は、堀田先生に直接お会いして質問できるよい機会だ。

ご関心のある方は、下記からお申し込みください。

口から始まる全身の病気 病巣感染を考える フォーラム

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病巣感染を考える

医療の統合から医・食・農全体へと生命の健全さをめざし出版された「食生活と身体の退化」。

さらに「虫歯から始まる全身の病気」 が出版されて一年、医歯学界各方面からの反響とともに、口や歯と全身の様々な疾患の関連性が寄せられています。

現場の医師や歯科医師の方々による実際の症例を踏まえながら歯や口の疾患と全身の疾患から、今後の医療改善や健康増進の方向を探ります。

今回は二部に分け、第一部(10:00-14:40)では医師・歯科医師による口腔疾患と全身疾患の症例、第二部(14:45-16:00)では参加者と現場の医師・歯科医師らによるグループ懇談を用意いたしました。

皆様の参加をお待ちしています。

日時: 平成21年10月11日(日) 9:45-16:00(受付9:00より)
会場: 日本歯科大学九段ホール(地下1階)(地図裏面) 定員:190名
千代田区富士見1-9-20 TEL03-3261-8311
会費: 専門職 5000円、 一般 3000円
問合せ: 06-6852-0446
   
杉本 叡 歯科医師 押村 進 歯科医師 高橋 愼一 医師 土居 元良 歯科医師

プログラム
1部:歯性病巣感染による疾患

9:45開演

10:00-10:50
●「医科と連携した混合感染(歯性病巣感染を含む)が関与する全身疾患を考える」
講師 杉本 叡 
大阪府柏原市開業歯科医師 
米国歯内療法学会会員 

11:00-11:50
●「歯科と連携して治療する皮膚疾患」
― とくに歯性病巣においてー 
講師  押村 進 
名古屋市開業歯科医師 
藤田保健衛生大学客員講師

昼食12:45-13:45
●特別講演 「歯科との連携で治す 病巣感染が関与する皮膚疾患」
講師  高橋 愼一 
東京歯科大学市川総合病院皮膚科教授 

13:50-14:40
●市民講座 「歯周治療におけるブラッシングの役割」
講師 土居 元良 
東京都開業歯科医師 
恒志会理事長

2部:グループ懇話会
グループ分かれての懇話会を行います。担当医を囲み少人数のグループで懇談し、日頃気になっていることを直接お聞きになることもできます。 

14:45-15:00
担当者紹介

15:00-16:00 
●医・食・農 グループ懇談
担当者
医療    高橋 慎一 (皮膚科)
堀田 修 (腎臓内科)
押村 進 (歯科医師)
恒志会理事
農と食   山田 勝巳 (有機農家)

口から始まる全身の病気 病巣感染を考える フォーラム

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2009年7月24日 (金)

IgA腎症が寛解!(扁摘パルス退院5ヶ月後の検査にて)

「寛解」
IgA腎症患者であれば、これが自身にやってきてほしいと強く望む、優先度の高い言葉である。

この言葉一つで、これまでのすべての悩み、治療の苦しさ(やその思い出)から救われる。幸い私は扁摘パルスでの副作用には、あまり悩まされるにすんだけれども。

そして、今日、今回の記事の題名のように、おかげさまで、このブログの目的に達することができた。ここ数年間の呪縛から解かれた気分だ。

午前の成田記念病院での検査にて堀田先生から「寛解だよ。おめでとう」のお言葉をいただけた。看護師さんも「おめでとうございます」といっしょに喜んでくれた。

2週間ほど前に副鼻腔炎を起こしたが、その後に自宅での尿検査では、潜血、蛋白とも、ほぼ(-)になっていた。パルスの効果なのか、免疫システムが乱れることなくすんだようだ。

だから、今日の検査で両方が陰性になることを期待していた。

結果は、尿蛋白、潜血ともに陰性、1日尿蛋白0.11g。

先生は「順調、順調!」とおっしゃった。

一方、クレアチニンは前回よりも高く、0.74から0.81と増加していたが、血液が前回よりも濃いせいか、あるいは毎日の運動で筋肉がついたためと推測している。

尿所見では健常人と同じであるけれど、それでもまだプレドニンは予定どおりに(隔日2錠2ヶ月、1錠2ヶ月)継続しなくてはならない。ステロイドは急にやめてはいけないのだ。また、降圧剤も腎機能保護のために継続。

通常は、IgA腎症発症から3年以内であっても(私はごく初期を入れると、おそらく4~5年)、扁摘パルスを受けて、尿蛋白、潜血が陰性になるには平均1年以上かかるといわれる。加えて私は、急速進行性になってしまい、炎症がひどかったにも関わらず、扁摘パルスの退院から5ヶ月後の検査で寛解となった。まさかこんなに早くこの日が来るとは予想していなかった。

徹底的に根治治療(扁桃、鼻、歯の病巣の除去)したことが、早期の寛解を迎えることにつながったと思う。そして、何より傷ついた糸球体が、がんばって回復してくれたことがうれしい。

思えば、堀田先生に初めてお会いしてちょうど1年が経過していた。昨年7月下旬に「病巣感染のフォーラム」があり、先生の講演を聴いた。その前に、私が歯の治療で尿蛋白が減ったことを先生に伝えると、先生は「半年たって潜血が(-)にならなければ、扁摘パルスを受けたほうがよい」とおっしゃった。

当時の私はまったく扁摘パルスをうける意志はなかった。ところが、昨年10月末から急速進行性腎炎になってしまい、ちょうど先生の言葉通り、半年たって、今年の1月に緑の里でパルス入院を決心するにいたった。仙台の冬景色が思い出される。

もし堀田先生の半年前のお言葉を聞いていなかったら、急速進行性になってからも、扁摘パルスへの決断ができずにいたことだろう。

今は、これまで最悪だと思えたこと、さまざまな転帰、これらはすべて運命付けられていたように感じる。どん底の中にいるように思えるときでさえも、意志をもてば道は必ず開かれる。

私は運がよく、改善が早かった。けれども、扁摘パルス治療を受けられたみなさんは、あせらず(これ、本当に難しいですね、自分は本当に寛解になるのかと、いつも考えてしまいがちです)、主治医からいつか「寛解」の言葉をいただけることを信じて、毎日を過ごして下さい。治療が適切ならば、必ずその日は来るのですから。

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2009年7月16日 (木)

カビ発生で副鼻腔炎に

6月末には、尿蛋白もほぼ(-)になって喜んでいた。ところが、10日ほど前から右の鼻がずっとつまったままになり、黄色の粘った鼻水も出るようになってしまった。すると、尿蛋白が(±)に戻ってしまった。活動が多く尿が濃いときには、潜血も(±)になる。

原因が何かを考えていたが、時期からしてカビだと思った。このところずっと湿度が80%を超えていて、畳や台所の棚などにカビが発生していたからだ。

そこで、昨日はカビ退治の掃除をした。エタノールを使ってあらゆるところを拭いた(水で拭くと逆効果)。

すると、今朝はずっとつまったままだった鼻のつまりがとれていた。まだ、黄色の鼻水は出るが、カビを除去することでに確実に効果があった。

室内の換気をよくしてカビの発生を抑えなければ。カビは汚れなどの有機質、水分、空気があると発生しやすくなる。だからまめに掃除をすることが肝心。

カビ(コロニー)は、すでに目に見える形として現れている場合には、10円玉ほどの大きさのコロニーで、なんと50億から60億の胞子を発散するらしい。そして、たった24時間で2倍に増殖してしまうという。

毎日、3回ストレッチや踏み台昇降を行っているが、朝の1回分を掃除に当てることにした。掃除は筋肉を使ってけっこうな運動になるし、部屋もきれいになる。ハウスダストやカビなど、鼻炎の原因となる汚れもとれるので、今後継続してやってゆきたい。

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2009年6月16日 (火)

IgA腎症患者がとるべき行動とは

現在、自分で医学翻訳の勉強をしている。

臨床統計学も学ぶ必要があるので、その種の書籍を購入すると、巻末の情報とそのアマゾンのページから下記の書籍があることを知った。

まさにこれは、現在のIgA腎症患者がとっている行動、とるべき行動ではないかと、小膝を打った。時間に余裕ができたら、ぜひとも読んでみたい書籍だ。

患者は何でも知っている
<著者のコメントから抜粋>
◎自分で情報を収集・評価し、医療に対して自らの責任を引き受けようとする「かしこい患者」が増えている

◎患者の持つ情報量が医師の持つ情報量を上回る時代である

◎インターネットが普及し、多くの人々が高等教育を受け、知的労働に従事する現在、「かしこい患者」は医学の専門知識においても専門家であるはずの医師を凌駕する場合が少なくはない

◎医学をどう患者が活用し、医師と対等に話し合い、いかに主体的に患者が自らの医療を組み立てるか

◎患者像には明らかな変化が見られる。それはお任せ医療ではなく、自ら病気の概念を徹底的に調べ上げ、利用可能な医療資源に気を配りながら、最善の医療を受けようとする患者像である。

◎これは都会だけの現象ではなく、地方都市にも見られるものであり、医療不信・医師不信で溢れかえっている現状に対する患者側の自己防衛策と見ることができる

最高の医療をうけるための患者学
<カスタマーレビューから抜粋>
◎最高の医療を受けるためには患者が変わる必要がある

◎患者の行動一つで、受けられる医療は大きく変わる

◎医学知識では医師に劣る、弱者の立場の患者にとって、これまで聞いたこともないほどの心構えや行動(9つのステップ)が示されている

◎今の日本医療でこのノウハウを実行すると、理に適っているだけに医師にはものすごく警戒される可能性が大。この患者学を身につけた患者に対応できる医師を育てることが急務

↑実際、この最後の感想が現実なのだろうが、患者が知識を身につけること(もちろん誤った知識ではまずいが)を嫌う医者を主治医にするよりは(概してこのような医師に治療効果は期待できない)、評価の高い医師を自ら選ぶことがキーとなる。

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2009年5月31日 (日)

扁摘パルス退院3ヶ月後の通院結果で潜血(-)に

一昨日は成田記念病院の通院日。

このところ自宅での尿試験紙での結果がよくなっていたものだから、少し期待していた。

採尿と採血を終えると、診察までに約1時間弱ほどの時間がある。病院での待ち時間はけっこうなストレスになるが、地下にカフェがあり新聞や雑誌が読めるので、ここで時間をつぶす。テーブルが大きく、ゆったりとしたスペースなのがよい。私は早朝4時頃に起床することが多いので、ここで早めの昼食をとる。

予約した時間の10分ほど前に待合室に戻る。

尿蛋白:(±)
潜血:(-)
血清クレアチニン値:0.74
尿中クレアチニンからの推定1日尿蛋白:329.2mg

尿蛋白(±)は前回と同じであるけれど、1日尿蛋白が前回の1/3以下の329.2mgと大幅に減少。潜血(-)からは腎臓の炎症がとれてきたと判断できる。血清クレアチニン値は前回の0.75mg/dlから0.74へとこれもわずかに改善。

堀田先生から「非常に良好!順調に回復している」と聞き、うれしさが増す。潜血が陰性になったことで、プレドニンが予定より1ヶ月早く4錠から3錠へと減ることになった。

ひととおり終わると、先生はいつも「質問は?」と尋ねられる。私は先生を前にすると、さまざまな質問を立て続けにするからだ。得られる情報をインプットし、そしてブログで正しくアウトプットするためにも、これは貴重だ。

また、ブログについてのお話もあった。「あなたのブログが東京で話題になっているよ」と。そういえば、以前にメールいただいた方からも「大久保病院の待合室で、Sachiさんのブログについて話している方がいた」と聞いたことがある。

さらに堀田先生は「ブログには思い入れが大切だけれど、それだけではダメ。あなたのは客観的なのがいいね」と続ける。

堀田先生のもとには、ネットで情報収集し、扁摘パルスについて非常に恐怖感を抱いているIgA腎症患者さんも訪れるらしい。私のもとにも、それで迷いをいだく患者さんからのお問い合わせが届く。けれども、もし、そのIgA腎症患者さんが副作用がこわいからといって治療を拒み、将来透析になってしまったら誰が責任をとるのだろうか?

堀田先生のところに訪れたり、私に連絡くださる方は、誤った情報によって人生を狂わせられることから、くい止めることができる。そうならずに、惑わされて扁摘パルスを断念してしまっている人が多いはずだ。かつての私のように。非常に気がかりだ。

私はまだIgA腎症と縁を切ることができる期間に、扁摘パルスが間に合ったからいい。実にそれはぎりぎりのところだった。もし以前のまま副作用を恐れて行動できずに数ヶ月を経過させて、堀田先生のもとを訪ねなければ、数年後には確実に透析になっていたのだ。

偏った思考の公開で、患者に不安をつのらせ、治療を断念させてしまい、透析にさせてしまうことがあったら、その「罪」は重大だ。その無神経さに義憤がつのる。

治療にはもちろん副作用がある。私も血糖値上昇やパルス最初の頃は不眠等があった。また、パルス2クール終了後に、スーパーの行き帰りの際、はりきって早足で往復40分のウォーキングした際には、足の付け根が痛くなり片足を引きづりながら病院に戻った。さすがに大腿骨頭壊死が頭をよぎった。それは、これまで4kgのジョギングをしても痛みが起こったことがない箇所だったからだ。院内で短い距離を歩行する生活だけでは、気づかなかっただろう。

その際は先生にストレッチの方法を教えてもらったり、院内の運動療法センターで適度なウォーキング、自転車こぎをすることで血流促進に気を配った。すると、その後には痛みの発生を回避できた。だから、今でも1日3回、ストレッチ、踏み台昇降、体操を行っている。

副作用の知識をもつことが大切なことはいうまでもない。ただ、それだけに終わってしまっていては、IgA腎症患者を救うことはできないのだ。副作用の認識を持ちながらも、「それに対処してゆく」ことのほうが重要だと考える。不安をあおるだけでは「害」こそあれ、IgA腎症患者のためにはならない。

例えば、「このような副作用に対してはこうすることで改善できる」といった情報提供のほうがずっと価値があるし前向きだ。ここまでするのはたやすくない。それには、本人の経験や正しく豊富な見識が求められる。

私は、ブログだけでなく、メルマガやWebでの情報公開も、それが例え個人のものであっても、それなりに社会的な影響力のあるものならば、「公人としての立場」をわきまえなければならないと常に思っている。

ネット上には独りよがりの偏った情報、誤った情報が満ちあふれている。節操なく、表現の自由のみが優先されたものもある。でも、それを信頼できる情報なのかどうか、自身のためになるかどうかを判断するのは、最終的には「読者の眼力」に帰結してゆく。

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2009年5月12日 (火)

中途ハンパに壊れた糸球体から尿蛋白が漏れ出る

今日は歯科医で虫歯菌と歯周病菌検査、歯石除去をしてもらった。虫歯菌検査は、手の甲に色の変化が現れるパッチを張る。歯周病菌検査は、口内の唾液をテストテープにつける。

前回、昨年12月末では、虫歯菌と歯周病菌検査では、それぞれ「高」「中」「低」の3段階にて、両方とも「中」だった。先生は8割程度の人が「中」の結果となるといっていた。

今回は、その後のパルスや経口プレドニンでステロイドを使用しているので、恐らく、前回よりももっと検査結果は悪くなっているだろうと推測していた。ステロイドが免疫力を下げて、血液中の細菌の数を増加させることを懸念していたのだ。

ところが、なんと虫歯菌と歯周病菌の検査とも前回よりも低くなっていた。虫歯菌検査では、前回は薬の塗ってある部分がピンクに変化したのだが、今回は色の変化がまったくなく、「低」の結果に。歯周病菌検査では、白い部分にほんのわずかに青く点々がでた程度で、「低」と「中」の中間になった。

ステロイドを使用しているにも関わらず、なぜ口腔内細菌の検査で改善されていたのだろうと考えてみた。昨年7月に参加したセミナーでの話を思い出した。これは強く印象に残っている。

体内に病巣感染があると、そこの細菌は他の部位の細菌をも増殖させるというお話があった。だから、喉の感染があると、鼻にも細菌がつきやすくなる。逆もしかり。また歯周病菌が多ければ、喉の細菌も増やす。

細菌が多いほど、他の細菌をも誘発させやすい体内環境を作ってしまうのだ。

私は、1~2月に扁摘パルスの治療で、感染のあった扁桃を摘出し、鼻咽腔を塩化亜鉛で滅菌していることが、今回の口腔内細菌検査の結果に出てきたと考えられる。

また、口呼吸を是正したことも口腔内細菌の減少につながったと思われる。鼻のつまりがとれたので、朝までしっかりと口を閉じていられる。最初は、市販の口閉じテープや粘着性の強くない紙テープを口に張って寝た。

ステロイド使用中でも根治治療が完璧ならば、体内細菌を減らすことができることがわかった。

だから、逆にいうと、例え、抗生剤を使用して一時的に尿蛋白が減少したり、ステロイドパルスのみの治療でIgA腎症の寛解が得られたとしても、病巣を残しておけば、何らかの細菌による炎症や別の疾患が体内のどこかに出やすくなる。パルスの効果で、まだ免疫異常が起こっていない(免疫司令塔のヘルパーT細胞の働きが正常)うちはよいが、細菌による炎症から、いずれまた免疫システムが暴走しIgA腎症が再発する可能性があるのだ。

それは10~20年後に来るかもしれないし、あるいは運がよければ生涯、ヘルパーT細胞は正常に働き続けてくれるかもしれない。誰にもわからない。

では、今回の記事のタイトル「中途ハンパに壊れた糸球体から尿蛋白が漏れ出る」について。

パルス4クール受けたこともあり、潜血は確実に減って(-)~(±)の範囲となっている。一方、尿蛋白は治療を受ける前よりも減ってはいるものの(±)~(+)で、潜血のように(-)になるほどはまだ減ってはいない。

なぜそうなるのか、下記はその理由。

潜血が減ったことは、腎臓の炎症が治っているきていることを示す。もし潜血が減らない場合は、パルスが不十分であったか、扁桃以外(鼻や歯)の一時疾患の病巣感染、あるいは菲薄基底膜病(予後良好で無治療でもよいらしい)の併発があることがいわれる。

また、潜血がよくなってきているのに、尿蛋白が残っている原因は、炎症が強かった場合(私は扁摘パルスを受ける3ヶ月前から急速進行性腎炎に)に、中途ハンパに壊れた糸球体から蛋白がもれるそうだ。

中途ハンパに壊れた糸球体には、また修復されて機能を取り戻すものと、つぶれて繊維化するものとがある。時間がたち、完全につぶれて無機能となり繊維化されてしまえば、蛋白が漏れなくなる可能性がる(繊維化が多すぎてもいけない)。

もちろん、修復されてちゃんと元に戻った糸球体からは蛋白は出なくなる(これが一番望ましい)。

壊れた糸球体がどちらかに完全に移行するには、時間がかかるそうだ。症例としては、血尿が陰性化してから尿蛋白が陰性化した最長期間は5年とのこと。

潜血は腎臓の炎症の程度に関わらず、病巣が扁桃だけであって扁摘パルスをした場合には、1~1.5年以内に消失する。一方、尿蛋白の消失は、腎症の進行の程度に関係があり、腎症が進んでいるほど、尿蛋白が消失するまでの期間が長くなる。

私は、「急速進行性腎炎になる前に扁摘パルスを受けていれば、もっと早く尿蛋白を無くすことができたのに」と悔いることもあるが、ステロイドの副作用を恐れて決断できなかったのは自己責任と思うようにしている。今は、これも「天の配剤なのか」と感じる。

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2009年4月23日 (木)

扁摘パルス治療への道を阻む10のハードル

最初にお願いがございます。

扁摘パルス治療のパイオニアである堀田先生が、扁摘パルスを受けられた患者さんからの声を集めたいという主旨からアンケートが設置されております。よろしければ、ぜひご協力ください。
データ数が集まった時点で、集計して資料をホームページに掲載する予定だそうです。

以前にも記しましたが、患者を思いやる堀田先生は臨床医師としての立場から、患者の半数に不利益を伴うEBM(比較試験)を行いませんが、かわりにこれらデータは、IgA腎症患者さんや医療関係者にとって、今後長きにわたって非常に有益なものとなるはずです。

●IgA腎症根治治療ネットワーク・アンケート
https://www.yoyakucenter.jp/webform/cpw0003/

また、ブログ等を運営されている方へお願いですが、上記アンケートへのリンクが可能であればご協力をお願いできますでしょうか。

突然のお願いながら、どうぞよろしくお願いいたします。
また、堀田先生のコラムも更新されましたので、お読み下さいね。

NO.3 HPの相談窓口から (2009/4/17)
http://www.iga.gr.jp/column/003_20090417.php

相談窓口へ寄せられる質問の代表的な例をもとに、堀田先生が回答されています。

---------------------------------------

今回は入院中に書きためていた記事、「扁摘パルス治療への道を阻む10のハードル」をアップした。IgA腎症を発症しても、扁摘パルス治療にたどりつくまでに、多くの時間を費やしてしまった私は、遅れてしまった原因について考えてみた。

この治療介入の遅れは、寛解ポイントをすぎてしまうと、致命的になる。IgA腎症のみなさんには、ぜひ下記をご理解のうえ、扁摘パルスを受けられることをおすすめする。

<●扁摘パルス治療への道を阻む10のハードル>

1)主治医が扁摘パルス否定派
運悪く患者の主治医が扁摘パルスを否定している先生になってしまうと、多くの患者は腎炎の進行を遅くするだけの治療にとどまり、腎炎の根治治療への道へ踏み出せない。

パルスは実施していても、いまだに扁摘については「根拠がない」という医師は少なくない。それは扁摘パルスがEBMによる比較試験がされていないことに起因しているが、堀田医師は、「扁摘すればよくなることがわかっているのに、EBMで扁摘をするグループと希望しても受けられないグループをわけるのは倫理的でない。臨床医としての魂を捨てるようなものだ」といっている。

患者思いの心ある医師が、目の前の患者をグループ分けできるだろうか?治療介入の遅れで治る腎臓病を治らないものにしてしまうのは、「医師の罪」であると堀田医師は主張する。

2)ステロイドパルスの副作用が恐い
確かにステロイドには副作用がある。腎生検後の治療の選択の際に、主治医はステロイドの副作用について必ず患者に説明をする。この話を聞いたり、自分で副作用の情報収集したりするほど腰がひけてしまうのだ。

けれども、重篤な副作用は、経口で毎日長期にわたってステロイドを服用した場合がほとんど。点滴での短期大量投与や隔日での内服では副作用が少ない。そして、これらリスクを減らすためには、やはり経験数の多い医師を選びたい。ベテランであればあるほど、患者の年齢、既往歴などを考慮して、患者にあった投与をしてくれる。

私は、適度な運動がステロイドの副作用を減らすことを実感している。ストレッチ、ウォーキング、自転車こぎなど、毎日継続して行いたい。

3)尿所見が軽度なので経過観察
尿蛋白や鮮血が多くないために、腎生検をせず経過観察となる患者はずいぶんいる。私も決して少ないとはいえない尿蛋白(2+)や鮮血(3+)でありながら、2年も経過観察があった。

「腎生検で痛い思いをさせたくないから」という主治医のやさしさは、寛解ポイントの見地からすれば、患者の寛解率を日ごとに低下させていることになる。

4)自分だけはIgA腎症が自然寛解すると信じている
私がそうだった。ブログタイトルの「ぜったい治したい!」と、ある種、宗教的な祈りのようなな気持ちをいだき、そう願い続けることでいつか治ると根拠もなく信じ込もうとしていた。

けれども、IgA腎症が自然治癒するのは、成人のわずか15%だ。確立からすれば、その中に自分自身が含まれる可能性のほうが圧倒的に少ない。8割以上は腎機能が下がり続けることから逃れられないということを肝に命じておきたい。

5)扁摘パルス治療へ背中を強力に押してくれるものがない
これまでにもブログのコメントで、私に扁摘パルスをすすめてくださる方もいらっしゃった。今思えば、非常にありがたいことだ。けれども、その時は重い腰をなかなかあげられなかったというのが本音。慢性腎炎といっても、特に日常生活への支障はない。

私が扁摘パルスを選んだのは、急速進行性腎炎になってしまっての「恐怖」からだ。このままでは数年後に透析へ一直線。毎日こんな不安を抱えての生活はできない。

多くの人は本当の「恐怖」「不安」「リスク」を抱えるようになってから、自ら決断・行動を起こすようになる。

リスクを回避したいという安全確保の欲求は、『マズローの法則』において、食欲や睡眠といった生理的欲求の次に位置づけられており、人間の生活において優先順位が高い。

 1.生理的欲求
 2.安全欲求
 3.社会的欲求
 4.尊厳欲求
 5.自己実現欲求

6)IgA腎症が扁摘パルスで治癒するメカニズムを理解してない
これは患者のみならず、医師にもいえる。

私の住む地域の病院のほとんどが、IgA腎症の進行遅延のための投薬治療のみで、一時疾患となっている病巣感染に関心をもたない医師ばかりである。今の医療体制、腎臓治療のガイドラインにさえ不信をいだく。

腎内医師は日々多くの患者を診ていながら、なぜ病巣感染をなくすことに考えがまわらないのか、そのことのほうが不思議だ。例えば患者は自身が一時的になんらかの感染(風邪、胃炎、食中毒等)を起こしたときに尿所見が悪化することがわかっている。

IgA腎症の原因は、慢性化した細菌感染(扁桃、鼻、歯)であることは明らかで、私自身もそのすべてを併発していた。

7)扁桃腺が腫れたことがない
私は扁摘パルスを行っている病院の耳鼻科にも相談に行ったことがある。けれども、耳鼻科医は、私の場合は扁桃腺が腫れていないから、摘出しても意味はないといった。

そうではない。IgA腎症患者のすべての扁桃が特異的な構造をもっているのだ。これは目視では、判断できない。

堀田先生の著書「IgA腎症の病態と扁摘パルス」によれば、IgA腎症の扁桃ではリンパ濾胞という組織が不規則に腫大し、T細胞領域とB細胞領域が不明瞭となっていて、免疫応答が阻害されるようになっているらしい。

病巣感染をもつ扁桃腺を摘出することで、細菌と抗体が結合した免疫複合体が腎臓にたどりついて、腎臓の糸球体に炎症を起こすことをストップさせるわけだ。

事実、目視で異常がなかった私の摘出扁桃の病理組織検査では、細菌の塊や侵出物が発見されている。このことは扁摘を受けたIgA腎症患者さんの多くが体験している。

8)扁摘パルスの入院期間が長い
ステロイドパルスで3クールで3週間、扁桃腺摘出で1週間~10日間と、1ヶ月以上の入院生活は、家庭の事情によってはすぐに決めることは難しい人が多い。長期の入院については、家族への説明を自分でして、納得してもらうにもエネルギーが必要だ。

けれども、最初のパルス1クールを入院、あとの2、3クールは外来でも可能だ。扁桃腺の摘出は、パルス終了後の半年以内に行えばよいといわれる。

ご自身の生活や仕事などを考慮し、よりよい治療計画をたてることも可能なのだ。

9)転院の動機付けに恵まれない
近くに扁摘パルスを実施している病院がない、あるいはその情報をもっていないとなると、今の病院への通院をやめる決断ができない。

「IgA腎症根治治療ネットワーク」では、患者さんの近隣の病院で扁摘パルスを行っている実施施設を紹介してくれる。積極的に利用したい。

http://www.iga.gr.jp/shisetsu/index.php

10)主治医がよい先生で信頼している
主治医がやさしくてよい先生であると、患者はこの先生におまかせようと信頼しきってしまう。私もこれが裏目にでた。前医から別の病院に変わることには、うしろめたさ、後ろ髪をひかれ部分もある。

でも、病気は「治すこと」が一番優先されるべきだ。「人間的によい先生である」ということと、「IgA腎症を治せる」ということとはまったく別物であることをわかってほしい。

逆に前医との相性が悪く不信感を抱き、ケンカ同然で「それなら他の病院に行け」とありがたいお言葉をいただき、転院先の病院で扁摘パルスを受けて寛解された人もいる。

このように、扁摘パルス治療を受けるまでには、多くの障害がともなう。でも、立ちはだかるいくつものハードルを乗り越え、希望の道に進むことができるかどうかは、「患者自身の考え方ひとつ」だ。

扁摘パルス治療に将来の光を見いだすか、それとも一生、透析への恐怖を抱えながらも現状での進行遅延でよしとするか。

どちらが好ましいのかはいうまでもない。

●IgA腎症根治治療ネットワーク・アンケートにも、ぜひご協力くださいね!
https://www.yoyakucenter.jp/webform/cpw0003/

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2009年3月27日 (金)

扁摘パルス退院1ヵ月後の通院日

宮城県の緑の里クリニックを退院して1ヶ月ちょっとが過ぎた。運がいいことに、堀田先生が2月から月に1回、豊橋の成田記念病院にてIgA腎症専門外来に来られる。

自宅から成田記念病院までは、バスと電車で40分ほど。県をまたいでいるが、以前に通院していた病院よりも交通の便がよくなった。

<検査結果(随時尿)>
尿タンパク定性:(±)
潜血     :(+)
クレアチニン :0.75

1月の入院時にクレアチニンが、0.84、その後パルスで上昇し1.0に。退院直前に0.77まで下がったが、その際は堀田先生は「血が薄かったせいかもしれない」とおっしゃっていた。私は絶対にクレアチニンを下げてみせると思い込んでいたけれど。

でも今日の検査でもさらに改善して、0.7台であることを再度確認できた。それでも、成田記念病院のクレアチニンの基準値が0.40-0.70ときびしいため、結果値の横にHと高値が示されている。ちょっとくやしい。

尿は薄かったために(±)と出ているが、自宅での検査では日中に(1+)~(2+)になることもある。仕事や活動量が多いと尿蛋白も多くなる。

昨年、腎生検で入院した際は尿蛋白は通常の半分になっていたが、やはり安静時と日常の生活とでは尿蛋白に差が出やすいようだ。

自宅での起床尿での潜血は、3日ほど前に初めて、尿試験紙の色がまったく変わらず白い色だったのを見た。その後はまだ変動があり、薄いブルーに変化する。

久々に塩化亜鉛の塗布をしていただいた。わずかにうすく脱脂綿が赤く色づいたが、痛みは今日はほとんど感じなかった。自宅での塩化亜鉛の点鼻が効いているようだ。

それから、さぼっていないか確かめられることがある。堀田先生は「あ、い、う、べ、やってるか?」と訊かれる。口を大きく開けて発音し、べは舌を出す。口の筋肉が鍛えられるとともに、周辺の血行もよくなるような気がする。

先生は、私のブログについて、「患者さんの立場として書かれていて、特にあなたのように最初は扁摘パルスしたくなかった人が体験したことを伝えているのは、患者にも医師(とりわけ扁摘パルス否定派)にも参考になる」と褒めてくださり、うれしく思った(反面、チェックされているかと思うとへたなことは書けない)。

ともあれ運営者としては、真に役立つ正しい情報を、一人でも多くのIgA腎症患者さんにお伝えできればと願っている。

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2009年2月25日 (水)

緑の里クリニックを退院

昨日(2/24)に緑の里クリニックを退院。尿蛋白は(-)に。前日の1日尿淡白は、0.15gと健常人の域だ。けれども、プレドニンを飲む日は圧が上がるため0.3gと倍ほどになる。

また入院中は横になっていることが多いため、腎臓への負担が少ない。日常生活では、これらはきっともう少し多めなのだろう。

退院の前日は、腎臓がここまで回復したことにうれしくもあり、反面ここでの入院生活が最終になると思うと寂しくもあった。

5年前に仕事で仙台を訪れたとき、地元の方が、「仙台はとてもいいところなので、仕事で長期駐在した人たちが家族を呼び寄せて住みついてしまうんですよ。山形や近隣の市からもたくさんの人が仙台に買い物にくる。気候がよく台風もそれるし、雪もそれほどつもらない。ただ地震だけは高い確率でくるといわれているけれど」と聞いていた。

入院中に、山形や福島を震源とする震度2~3程度の地震がおきた。けれども、菅野先生から次のように聞いていたので安心していられた。「ここには透析のベッドが50床あるけれど、透析施設のある病院は、地盤の固いところに建てられることになっているし、活断層の上には絶対にないので地震がおきても大丈夫」。

私は毎日午後3時が入浴タイムになっていた。毎回、新しい湯面がはられきれいに準備されていて、体の奥からリラックスできた。これまで別の病院での入院経験では、ほとんど入浴は2~3日に1回で、バスタブの中には何となく入る気がせず、シャワーだけ5分程度ですましていた。血行をよくしストレスをとり、免疫力をアップさせるにも入浴タイムは大切だ。

退院前日、バスルームから退出する際は、感謝の気持ちで胸がつまり、浴室に深々と頭を下げた。

もちろん、利用させていただいた施設だけでなく、配慮の行き届いた病院スタッフの方々のおかげで気持ちよく入院生活を送れたことに心から感謝している。

いつも感じることだが、看護師さんの患者に対する気遣い、コミュニケーション能力は、単に「気配りができる人」というものとはちがう。国家試験に合格しているだかたら当然だろうが、そこにはプロとして育成されたレベルがある。テキストがあれば読みたいほどだ。

ある機会に看護師さんに尋ねてみた。「看護師さんになるには患者に対してどのようなコミュニケーションを学ぶんですか?」と。すると、医療も接客サービス業と同じで、教育の中には、元スチュワーデスの講義を聴くこともあると教えてくれた。

堀田先生が仙台社会保険病院から今年になって緑の里クリニックに移られ、私は光栄にも「扁摘パルスの入院患者第一号」になることができた。看護師さんが「私たちにとっても、とても参考になりました」といってくれた。今後のIgA腎症の入院患者さんにも役立つことができるだろう。

遠方からの入院でも身の回りのことが一人でできれば、まったく問題はない。

入院時は最低限必要なものを準備し、足りなくなったティッシュ、カイロなどは歩いて15分ほどのところにあるスーパー、薬局で購入した(足に自信のない人や風の強い日は無理をしないように)。そこにATMもある。

緑の里クリニックは岩沼市というところにあり、仙台よりも暖かいそうだ。それでも夜は午後9時から午前6時までは院内の暖房がきれるため、暖かい地方から来る方は、冬は防寒対策をしておきたい。寒がりの方は電気毛布があれば万全だろう。湯たんぽは貸してもらえる。

私は、厚手の下着上下、レッグウォーマー、カイロ、首巻を準備していったが、重宝した。ステロイドパルスで体の免疫力が低下しているので、冷えて風邪をひかないよう注意したい。

入院期間中に必要なものがあるときには、自宅から宅急便で送ってもらった。遠方であっても家族に病院での世話を頼むことなく、一人で不自由ない入院生活ができる。

また、国民健康保険加入者の方であれば、入院前に「標準負担額減額認定証」を市役所から取り寄せておこう。入院時に提出すれば、1ヶ月の保険自己負担金額が35,400円(70歳未満)となり、経済的負担を減らせる。食事の負担額も1食につき260円が210円となる。自費の部分は別途支払いが必要だ。

退院日は午前9:30、早めに病院を出た。仙台駅でのランチやショッピングを楽しみにしていたのだ。5年前は仙台について知らなかったこともあり、ビジネスホテルに宿泊し、仕事をすませてすぐに帰りの便にのったため、仙台のすばらしさを満喫できなかった。

まず、2つの大きな荷物のひとつを駅構内のコンビニから宅急便で自宅に発送し、もうひとつをコインロッカーに預けた。これで身軽になった。帰りの新幹線まで3時間近くあったが、それはあっというまに過ぎてしまった。

地下に「S-PAL」という名店街がある。笹かまぼこやずんだ菓子などの試食がいっぱいできて、感動!

松澤かまぼこ店の笹かまぼこは、チーズ、豆腐、豆腐ゴマ入り、牛タン入り、イカカレーなどをバラで購入できる。ほとんどすべての種類を1個ずつ購入。チーズと豆腐がいい味を出している。

喜久水庵の新発売、ずんだ生クリーム大福(冷凍)は、同室だった方から教えていただき、ケータイから注文してすでに自宅に送り済み。家族に喜ばれた。駅構内の茶寮喜久水庵では、座ってお茶といっしょにずんだのお菓子をいただくことができる。

昼食は、看護師さんから聞いていた「きすけ」で牛タン定食を。たっぷりの牛タンに、牛の尾を煮込んだスープ、麦飯、漬物がつく。

また、仙台にはファッショナブルでおいしいパン屋さんが多い。2箇所のパン屋さんでお土産用と新幹線内で食べる夕食用にさまざまなパンを購入。アップルシナモンロール、ふわふわ金時豆、どっこいさつま、リンゴメロンパンなど。うれしくてたまらない。イートイン・コーナーのあるパン屋さんで、アップルパイとコーヒーを注文して、予約した新幹線の時間までをすごした。

扁摘をした仙台赤十字病院内のカフェにはパンコーナーがあったが、棚をみると目移りし、そこも毎日利用していた(本当は入院食しか食べてはいけないのだけれど、胃が空になると胃酸で痛むので胃炎予防にと言い訳)。

仙台駅からは、はやて、そして東京駅につき、こだまに乗り、見慣れた風景が窓にうつると、非常に感慨深くなった。仕事や私用で東京駅から新幹線にのっても、かつてこのような感情を覚えたことがなかった。いろいろなことへのありがたさが熱く胸にあふれてきた。

1ヵ月半前の1月14日、病院に向かう新幹線の中でも、必ずよくなると信じていた。それは、扁摘パルスの治療効果について理解していたし、堀田先生のご著書の内容、知識、技術を信頼していたからだ。

帰宅してドアを開けると、猫が「にゃあ」とないた。

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2009年2月21日 (土)

パルス4クール終了、クレアチニン値が大幅に改善

尿蛋白は減っていたものの、仙台赤十字病院での扁摘後、痛み止めを8日間服用していたためか、緑の里クリニック再入院時のクレアチニンが1.0まで上昇していた。やはり鎮痛剤は腎機能を落とす。

堀田先生は「パルスをすれば痛みがとれる」と言った。私が「ぜったいにクレチニン0.7まで下げてみせる」というと、先生は「あれだけ強い炎症があったのだから、それは無理だ」と答えた。

再入院の翌日から3日間(2/18,19,20)、4クールめのステロイドパルスを実施。すると、痛み止めの服用を止めて2日後の2/20の朝の血液検査でクレアチニン値が0.78へと劇的に回復していた。これは昨年5月の数値と同じだ。

クレアチニンが改善したのは、痛み止めの服用停止だけでなく、2日前から院内の運動療法センターで行っているウォーキング、自転車こぎ、ストレッチによって、体内の毒が抜けたことも影響していると私は感じている。適度な運動はステロイドの副作用を減らすだけでなく、血行を促進させ腎機能を改善させる。

堀田先生は私が仙台赤十字病院に入院中に、私が地元で通院していた病院から1年前の腎生検の標本を取り寄せてくれていた。手間を惜しまないていねいな観察は患者にとっては非常にありがたいことだ。

2月初旬に同室だったEさんは、地元の病院でパルスを受けたところアレルギー反応を起こされ、パルスを停止、治療方針が決まらずにいたところ、堀田先生の治療で別の種類のステロイドによるパルスを受けて救われたという貴重なお話を聞かせてくれた。

扁摘パルスを実施している病院ならばどこでもいいというわけではない。医師が個々の患者にあった治療を施すことは、患者の詳細な観察と長年の経験知が積み上げられて初めて可能になる。症状に適合したテーラーメイドの治療ができるかどうかで寛解率が変わるのだ。

全国ではまだまだ1,000件以上の扁摘パルスの実績をもつ病院は少ないが、優秀な医師は育ってきている。可能ならば、堀田先生のいらっしゃる緑の里クリニック(現在は仙台社会保険病院へ戻られたとのこと)、仙台社会保険病院(堀田先生の薫陶を受け、実績経験をもつ医師が多い)、新宿の大久保病院、豊橋市の成田記念病院がお勧めだが、これら病院は遠くてゆけない人々も多いだろう。

堀田先生は「連絡くれれば、近隣の病院と医師を紹介する」とおっしゃっているので、ぜひ下記からご連絡を。

IgA腎症根治治療ネットワーク

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2009年2月18日 (水)

切除扁桃の病理組織検査の結果に驚く

仙台赤十字病院を退院する前日の診断時、先生は切除扁桃の病理組織検査の結果を教えてくれた。それは下記のように記載されていた。

組織所見
左…扁桃陰か(切断時の断面図にある穴)が拡張し、石灰沈着を伴う菌塊(細菌のかたまり)を入れている。年齢の割に、リンパ組織の反応は増生が著明である(通常は年をとるほど扁桃の反応は少なくなるらしい)。浸出物もみられる。

右…同様であるが炎症反応は左よりも軽い。

私はIgA腎症であれば、必ず扁桃に異常があることを確信した。扁桃が小さくても、一度も腫れたことがなくても、扁摘はIgA腎症を寛解させるために必須の治療なのだ。

昨年、地元の扁摘パルスを実施している病院の耳鼻科医は、私の扁桃を見て、「あなたの扁桃は小さいので扁摘しても腎炎は改善しない」と言った。もしこの言葉をそのまま受けて何もせずにいたら、私は5年以内に透析になっていただろう。昨年10月末から急速進行性腎炎に変わってしまっていたのだから。

扁摘パルスをしている病院でさえも、こういうこともあるのだ。こんな考えの医師のほうが多いのが現実だろう。患者は病院選び、主治医選びでは、できるだけ情報収集し実績の多い病院で治療を受けたいものだ。

IgA腎症の皆さん、医師にご自身の扁桃に異常しといわれても、鵜呑みにしないでください。ほとんどといっていいくらいIgA腎症患者の扁桃は病巣感染をもっているのです。昨年までの私は自身の一次疾患は扁桃ではなく、歯と鼻にあると信じて扁摘をずっと躊躇し続けていた。扁摘を迷っていてはいけないのだ。

さらに、先週、扁摘手術後にボトルに入った切除扁桃を見せてもらった時、「膿はないけれど癒着があった」と説明された。ところが、その後の病理組織検査では、しっかりと菌塊が見つかっているのだ。肉眼では扁桃に菌がいるのかどうかは全く判断できないことが、これでも証明された。

緑の里クリニックに戻ると、堀田先生が仙台赤十字病院の検査結果の報告をすでに受けていた。「やはり菌がいたね。ずっとこれまで扁摘はいやだといっていたけど、とってよかったね。尿蛋白も減ったしがんばろう!」と迎えてくれた。

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2009年2月16日 (月)

扁摘終了、摘出部分に癒着あり

仙台赤十字病院にて、2月9日に扁桃腺摘出を受けた。事前の診断では、私の扁桃は小さいので、手術後はそれほど痛みはないだろうと担当の先生から聞いていた。「楽勝だ!」と気持ちが楽になった…摘出後に全身麻酔から意識が戻るまでは。

目が覚めると手術が終わっていた。一瞬、呼吸がうまくできず苦しくなり、足をバタバタさせてしまった。看護師さんが「あばれないで!」という。大量の鼻水と痰を吐き出すと、すぐに呼吸が楽になった。

ナースステーションの近くの病室にて一夜をすごす。酸素マスク、心電図、尿カテーテル、点滴が体につながれている。それにしても今まで経験したことがないほど喉が痛い。肩や首筋がパンパンにはっている。おまけに夜には奥歯と耳も痛み出した。喉は歯や耳と密接につながっているため、喉の痛みが歯や耳の神経に伝わるからだそうだ。

手術前に「摘出した扁桃を後で見たい」とお願いしていた。2つのボトルに左右の扁桃が1gずつ入っていた。扁桃の大きい人は5~6gも除去するという。癒着があったと説明された。扁桃を腫らしたことがなくても、やはりIgA腎症患者は特異的な扁桃腺をもっているのだ。これまで扁摘を躊躇していたが、摘出して正解だった。

喉の痛みは翌日の午後まで強く続いた。通常は翌朝から流動食、昼から五分がゆ、6日めからは普通食が出されるが、私は食後に喉の痛みから耳がツーンと20分ほど痛くなるため、術後5日たってもパン粥とペースト状の流動食、6日めも細かく刻んだものを摂取していた。食事の時間を楽しみにしているのに、食後にいつも耳が痛むのは辛かった。カイロで耳を温めると少しずつ痛みがやわらいだ。

先生の話では、血管炎があることと年齢(コラーゲンなどが少ない)から、治癒が遅れているとのこと。また、私は口にたまる唾液を頻繁に全部ティッシュでぬぐっていたが、これがよくなかったらしい。唾液を吐き出してしまうと、喉が乾燥して回復が遅くなる。唾液を飲み込むと痛いけれども、吐き出してはいけないのだ。

扁摘は若いほど治りが早いそうだ。白内障の手術で同室のあばあちゃんは二十歳のときに扁摘したそうだが、痛みはなく日帰り手術だったという。高齢になるほど扁摘の痛みが強くなる。

術後1日めから、新館に移動。ここは4人部屋だが部屋にトイレ(2畳ほどの広さでドアの開閉で自動消灯)や洗面台がついていて非常に便利。これで差額室料0円はありがたい。

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2009年2月 3日 (火)

パルス3クール終了、尿蛋白安全圏へ

先週末(土)で3クルめのパルスが終了した。昨日(月)の1日尿蛋白は、0.4gと減少。腎機能が低下しない安全圏へ下がった。堀田先生の話ではまだ変動はあるらしい。私の場合は発症して数年経過しているため尿蛋白が(-)になるまでには時間がかかる。羅病期間が1年程度ならばパルス中に寛解することもあるようだ。

まだ潜血は残っているが、これは血が出ていたほうが、今の状況としてはよいとのこと。というのは、血尿がおさまっている(糸球体の炎症が消えた)のに尿蛋白が出ているとしたら、それは糸球体の硬化や間質の繊維化が生じているために、そこから尿蛋白が漏れ出て、それは将来も尿蛋白が消えない原因となるからだ。

今週金曜日に緑の里クリニックをいったん退院し、同日に仙台赤十字病院に入院。最終の月曜(2/9)に扁桃腺の摘出となる。そして2/16に仙台赤十字病院を退院後、様子を見るために緑の里クリニックに1週間の入院予定。

緑の里クリニックの食事はとてもおいしく満足している。素材がよいのだろうが、味付けもグッド。他の入院患者さんも「ここの食事はおいしい」といっている。昨年、腎生検で地元の病院に入院したときは1日でも早く退院したいと思っていたが、ここは数ヶ月でもいられそうくらい居心地がよい。

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