2009年6月16日 (火)

IgA腎症患者がとるべき行動とは

現在、自分で医学翻訳の勉強をしている。

臨床統計学も学ぶ必要があるので、その種の書籍を購入すると、巻末の情報とそのアマゾンのページから下記の書籍があることを知った。

まさにこれは、現在のIgA腎症患者がとっている行動、とるべき行動ではないかと、小膝を打った。時間に余裕ができたら、ぜひとも読んでみたい書籍だ。

患者は何でも知っている
<著者のコメントから抜粋>
◎自分で情報を収集・評価し、医療に対して自らの責任を引き受けようとする「かしこい患者」が増えている

◎患者の持つ情報量が医師の持つ情報量を上回る時代である

◎インターネットが普及し、多くの人々が高等教育を受け、知的労働に従事する現在、「かしこい患者」は医学の専門知識においても専門家であるはずの医師を凌駕する場合が少なくはない

◎医学をどう患者が活用し、医師と対等に話し合い、いかに主体的に患者が自らの医療を組み立てるか

◎患者像には明らかな変化が見られる。それはお任せ医療ではなく、自ら病気の概念を徹底的に調べ上げ、利用可能な医療資源に気を配りながら、最善の医療を受けようとする患者像である。

◎これは都会だけの現象ではなく、地方都市にも見られるものであり、医療不信・医師不信で溢れかえっている現状に対する患者側の自己防衛策と見ることができる

最高の医療をうけるための患者学
<カスタマーレビューから抜粋>
◎最高の医療を受けるためには患者が変わる必要がある

◎患者の行動一つで、受けられる医療は大きく変わる

◎医学知識では医師に劣る、弱者の立場の患者にとって、これまで聞いたこともないほどの心構えや行動(9つのステップ)が示されている

◎今の日本医療でこのノウハウを実行すると、理に適っているだけに医師にはものすごく警戒される可能性が大。この患者学を身につけた患者に対応できる医師を育てることが急務

↑実際、この最後の感想が現実なのだろうが、患者が知識を身につけること(もちろん誤った知識ではまずいが)を嫌う医者を主治医にするよりは(概してこのような医師に治療効果は期待できない)、評価の高い医師を自ら選ぶことがキーとなる。

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2009年5月31日 (日)

扁摘パルス退院3ヶ月後の通院結果で潜血(-)に

一昨日は成田記念病院の通院日。

このところ自宅での尿試験紙での結果がよくなっていたものだから、少し期待していた。

採尿と採血を終えると、診察までに約1時間弱ほどの時間がある。病院での待ち時間はけっこうなストレスになるが、地下にカフェがあり新聞や雑誌が読めるので、ここで時間をつぶす。テーブルが大きく、ゆったりとしたスペースなのがよい。私は早朝4時頃に起床することが多いので、ここで早めの昼食をとる。

予約した時間の10分ほど前に待合室に戻る。

尿蛋白:(±)
潜血:(-)
血清クレアチニン値:0.74
尿中クレアチニンからの推定1日尿蛋白:329.2mg

尿蛋白(±)は前回と同じであるけれど、1日尿蛋白が前回の1/3以下の329.2mgと大幅に減少。潜血(-)からは腎臓の炎症がとれてきたと判断できる。血清クレアチニン値は前回の0.75mg/dlから0.74へとこれもわずかに改善。

堀田先生から「非常に良好!順調に回復している」と聞き、うれしさが増す。潜血が陰性になったことで、プレドニンが予定より1ヶ月早く4錠から3錠へと減ることになった。

ひととおり終わると、先生はいつも「質問は?」と尋ねられる。私は先生を前にすると、さまざまな質問を立て続けにするからだ。得られる情報をインプットし、そしてブログで正しくアウトプットするためにも、これは貴重だ。

また、ブログについてのお話もあった。「あなたのブログが東京で話題になっているよ」と。そういえば、以前にメールいただいた方からも「大久保病院の待合室で、Sachiさんのブログについて話している方がいた」と聞いたことがある。

さらに堀田先生は「ブログには思い入れが大切だけれど、それだけではダメ。あなたのは客観的なのがいいね」と続ける。

堀田先生のもとには、ネットで情報収集し、扁摘パルスについて非常に恐怖感を抱いているIgA腎症患者さんも訪れるらしい。私のもとにも、それで迷いをいだく患者さんからのお問い合わせが届く。けれども、もし、そのIgA腎症患者さんが副作用がこわいからといって治療を拒み、将来透析になってしまったら誰が責任をとるのだろうか?

堀田先生のところに訪れたり、私に連絡くださる方は、誤った情報によって人生を狂わせられることから、くい止めることができる。そうならずに、惑わされて扁摘パルスを断念してしまっている人が多いはずだ。かつての私のように。非常に気がかりだ。

私はまだIgA腎症と縁を切ることができる期間に、扁摘パルスが間に合ったからいい。実にそれはぎりぎりのところだった。もし以前のまま副作用を恐れて行動できずに数ヶ月を経過させて、堀田先生のもとを訪ねなければ、数年後には確実に透析になっていたのだ。

偏った思考の公開で、患者に不安をつのらせ、治療を断念させてしまい、透析にさせてしまうことがあったら、その「罪」は重大だ。その無神経さに義憤がつのる。

治療にはもちろん副作用がある。私も血糖値上昇やパルス最初の頃は不眠等があった。また、パルス2クール終了後に、スーパーの行き帰りの際、はりきって早足で往復40分のウォーキングした際には、足の付け根が痛くなり片足を引きづりながら病院に戻った。さすがに大腿骨頭壊死が頭をよぎった。それは、これまで4kgのジョギングをしても痛みが起こったことがない箇所だったからだ。院内で短い距離を歩行する生活だけでは、気づかなかっただろう。

その際は先生にストレッチの方法を教えてもらったり、院内の運動療法センターで適度なウォーキング、自転車こぎをすることで血流促進に気を配った。すると、その後には痛みの発生を回避できた。だから、今でも1日3回、ストレッチ、踏み台昇降、体操を行っている。

副作用の知識をもつことが大切なことはいうまでもない。ただ、それだけに終わってしまっていては、IgA腎症患者を救うことはできないのだ。副作用の認識を持ちながらも、「それに対処してゆく」ことのほうが重要だと考える。不安をあおるだけでは「害」こそあれ、IgA腎症患者のためにはならない。

例えば、「このような副作用に対してはこうすることで改善できる」といった情報提供のほうがずっと価値があるし前向きだ。ここまでするのはたやすくない。それには、本人の経験や正しく豊富な見識が求められる。

私は、ブログだけでなく、メルマガやWebでの情報公開も、それが例え個人のものであっても、それなりに社会的な影響力のあるものならば、「公人としての立場」をわきまえなければならないと常に思っている。

ネット上には独りよがりの偏った情報、誤った情報が満ちあふれている。節操なく、表現の自由のみが優先されたものもある。でも、それを信頼できる情報なのかどうか、自身のためになるかどうかを判断するのは、最終的には「読者の眼力」に帰結してゆく。

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2009年5月12日 (火)

中途ハンパに壊れた糸球体から尿蛋白が漏れ出る

今日は歯科医で虫歯菌と歯周病菌検査、歯石除去をしてもらった。虫歯菌検査は、手の甲に色の変化が現れるパッチを張る。歯周病菌検査は、口内の唾液をテストテープにつける。

前回、昨年12月末では、虫歯菌と歯周病菌検査では、それぞれ「高」「中」「低」の3段階にて、両方とも「中」だった。先生は8割程度の人が「中」の結果となるといっていた。

今回は、その後のパルスや経口プレドニンでステロイドを使用しているので、恐らく、前回よりももっと検査結果は悪くなっているだろうと推測していた。ステロイドが免疫力を下げて、血液中の細菌の数を増加させることを懸念していたのだ。

ところが、なんと虫歯菌と歯周病菌の検査とも前回よりも低くなっていた。虫歯菌検査では、前回は薬の塗ってある部分がピンクに変化したのだが、今回は色の変化がまったくなく、「低」の結果に。歯周病菌検査では、白い部分にほんのわずかに青く点々がでた程度で、「低」と「中」の中間になった。

ステロイドを使用しているにも関わらず、なぜ口腔内細菌の検査で改善されていたのだろうと考えてみた。昨年7月に参加したセミナーでの話を思い出した。これは強く印象に残っている。

体内に病巣感染があると、そこの細菌は他の部位の細菌をも増殖させるというお話があった。だから、喉の感染があると、鼻にも細菌がつきやすくなる。逆もしかり。また歯周病菌が多ければ、喉の細菌も増やす。

細菌が多いほど、他の細菌をも誘発させやすい体内環境を作ってしまうのだ。

私は、1~2月に扁摘パルスの治療で、感染のあった扁桃を摘出し、鼻咽腔を塩化亜鉛で滅菌していることが、今回の口腔内細菌検査の結果に出てきたと考えられる。

また、口呼吸を是正したことも口腔内細菌の減少につながったと思われる。鼻のつまりがとれたので、朝までしっかりと口を閉じていられる。最初は、市販の口閉じテープや粘着性の強くない紙テープを口に張って寝た。

ステロイド使用中でも根治治療が完璧ならば、体内細菌を減らすことができることがわかった。

だから、逆にいうと、例え、抗生剤を使用して一時的に尿蛋白が減少したり、ステロイドパルスのみの治療でIgA腎症の寛解が得られたとしても、病巣を残しておけば、何らかの細菌による炎症や別の疾患が体内のどこかに出やすくなる。パルスの効果で、まだ免疫異常が起こっていない(免疫司令塔のヘルパーT細胞の働きが正常)うちはよいが、細菌による炎症から、いずれまた免疫システムが暴走しIgA腎症が再発する可能性があるのだ。

それは10~20年後に来るかもしれないし、あるいは運がよければ生涯、ヘルパーT細胞は正常に働き続けてくれるかもしれない。誰にもわからない。

では、今回の記事のタイトル「中途ハンパに壊れた糸球体から尿蛋白が漏れ出る」について。

パルス4クール受けたこともあり、潜血は確実に減って(-)~(±)の範囲となっている。一方、尿蛋白は治療を受ける前よりも減ってはいるものの(±)~(+)で、潜血のように(-)になるほどはまだ減ってはいない。

なぜそうなるのか、下記はその理由。

潜血が減ったことは、腎臓の炎症が治っているきていることを示す。もし潜血が減らない場合は、パルスが不十分であったか、扁桃以外(鼻や歯)の一時疾患の病巣感染、あるいは菲薄基底膜病(予後良好で無治療でもよいらしい)の併発があることがいわれる。

また、潜血がよくなってきているのに、尿蛋白が残っている原因は、炎症が強かった場合(私は扁摘パルスを受ける3ヶ月前から急速進行性腎炎に)に、中途ハンパに壊れた糸球体から蛋白がもれるそうだ。

中途ハンパに壊れた糸球体には、また修復されて機能を取り戻すものと、つぶれて繊維化するものとがある。時間がたち、完全につぶれて無機能となり繊維化されてしまえば、蛋白が漏れなくなる可能性がる(繊維化が多すぎてもいけない)。

もちろん、修復されてちゃんと元に戻った糸球体からは蛋白は出なくなる(これが一番望ましい)。

壊れた糸球体がどちらかに完全に移行するには、時間がかかるそうだ。症例としては、血尿が陰性化してから尿蛋白が陰性化した最長期間は5年とのこと。

潜血は腎臓の炎症の程度に関わらず、病巣が扁桃だけであって扁摘パルスをした場合には、1~1.5年以内に消失する。一方、尿蛋白の消失は、腎症の進行の程度に関係があり、腎症が進んでいるほど、尿蛋白が消失するまでの期間が長くなる。

私は、「急速進行性腎炎になる前に扁摘パルスを受けていれば、もっと早く尿蛋白を無くすことができたのに」と悔いることもあるが、ステロイドの副作用を恐れて決断できなかったのは自己責任と思うようにしている。今は、これも「天の配剤なのか」と感じる。

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2009年4月23日 (木)

扁摘パルス治療への道を阻む10のハードル

最初にお願いがございます。

扁摘パルス治療のパイオニアである堀田先生が、扁摘パルスを受けられた患者さんからの声を集めたいという主旨からアンケートが設置されております。よろしければ、ぜひご協力ください。
データ数が集まった時点で、集計して資料をホームページに掲載する予定だそうです。

以前にも記しましたが、患者を思いやる堀田先生は臨床医師としての立場から、患者の半数に不利益を伴うEBM(比較試験)を行いませんが、かわりにこれらデータは、IgA腎症患者さんや医療関係者にとって、今後長きにわたって非常に有益なものとなるはずです。

●IgA腎症根治治療ネットワーク・アンケート
https://www.yoyakucenter.jp/webform/cpw0003/

また、ブログ等を運営されている方へお願いですが、上記アンケートへのリンクが可能であればご協力をお願いできますでしょうか。

突然のお願いながら、どうぞよろしくお願いいたします。
また、堀田先生のコラムも更新されましたので、お読み下さいね。

NO.3 HPの相談窓口から (2009/4/17)
http://www.iga.gr.jp/column/003_20090417.php

相談窓口へ寄せられる質問の代表的な例をもとに、堀田先生が回答されています。

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今回は入院中に書きためていた記事、「扁摘パルス治療への道を阻む10のハードル」をアップした。IgA腎症を発症しても、扁摘パルス治療にたどりつくまでに、多くの時間を費やしてしまった私は、遅れてしまった原因について考えてみた。

この治療介入の遅れは、寛解ポイントをすぎてしまうと、致命的になる。IgA腎症のみなさんには、ぜひ下記をご理解のうえ、扁摘パルスを受けられることをおすすめする。

<●扁摘パルス治療への道を阻む10のハードル>

1)主治医が扁摘パルス否定派
運悪く患者の主治医が扁摘パルスを否定している先生になってしまうと、多くの患者は腎炎の進行を遅くするだけの治療にとどまり、腎炎の根治治療への道へ踏み出せない。

パルスは実施していても、いまだに扁摘については「根拠がない」という医師は少なくない。それは扁摘パルスがEBMによる比較試験がされていないことに起因しているが、堀田医師は、「扁摘すればよくなることがわかっているのに、EBMで扁摘をするグループと希望しても受けられないグループをわけるのは倫理的でない。臨床医としての魂を捨てるようなものだ」といっている。

患者思いの心ある医師が、目の前の患者をグループ分けできるだろうか?治療介入の遅れで治る腎臓病を治らないものにしてしまうのは、「医師の罪」であると堀田医師は主張する。

2)ステロイドパルスの副作用が恐い
確かにステロイドには副作用がある。腎生検後の治療の選択の際に、主治医はステロイドの副作用について必ず患者に説明をする。この話を聞いたり、自分で副作用の情報収集したりするほど腰がひけてしまうのだ。

けれども、重篤な副作用は、経口で毎日長期にわたってステロイドを服用した場合がほとんど。点滴での短期大量投与や隔日での内服では副作用が少ない。そして、これらリスクを減らすためには、やはり経験数の多い医師を選びたい。ベテランであればあるほど、患者の年齢、既往歴などを考慮して、患者にあった投与をしてくれる。

私は、適度な運動がステロイドの副作用を減らすことを実感している。ストレッチ、ウォーキング、自転車こぎなど、毎日継続して行いたい。

3)尿所見が軽度なので経過観察
尿蛋白や鮮血が多くないために、腎生検をせず経過観察となる患者はずいぶんいる。私も決して少ないとはいえない尿蛋白(2+)や鮮血(3+)でありながら、2年も経過観察があった。

「腎生検で痛い思いをさせたくないから」という主治医のやさしさは、寛解ポイントの見地からすれば、患者の寛解率を日ごとに低下させていることになる。

4)自分だけはIgA腎症が自然寛解すると信じている
私がそうだった。ブログタイトルの「ぜったい治したい!」と、ある種、宗教的な祈りのようなな気持ちをいだき、そう願い続けることでいつか治ると根拠もなく信じ込もうとしていた。

けれども、IgA腎症が自然治癒するのは、成人のわずか15%だ。確立からすれば、その中に自分自身が含まれる可能性のほうが圧倒的に少ない。8割以上は腎機能が下がり続けることから逃れられないということを肝に命じておきたい。

5)扁摘パルス治療へ背中を強力に押してくれるものがない
これまでにもブログのコメントで、私に扁摘パルスをすすめてくださる方もいらっしゃった。今思えば、非常にありがたいことだ。けれども、その時は重い腰をなかなかあげられなかったというのが本音。慢性腎炎といっても、特に日常生活への支障はない。

私が扁摘パルスを選んだのは、急速進行性腎炎になってしまっての「恐怖」からだ。このままでは数年後に透析へ一直線。毎日こんな不安を抱えての生活はできない。

多くの人は本当の「恐怖」「不安」「リスク」を抱えるようになってから、自ら決断・行動を起こすようになる。

リスクを回避したいという安全確保の欲求は、『マズローの法則』において、食欲や睡眠といった生理的欲求の次に位置づけられており、人間の生活において優先順位が高い。

 1.生理的欲求
 2.安全欲求
 3.社会的欲求
 4.尊厳欲求
 5.自己実現欲求

6)IgA腎症が扁摘パルスで治癒するメカニズムを理解してない
これは患者のみならず、医師にもいえる。

私の住む地域の病院のほとんどが、IgA腎症の進行遅延のための投薬治療のみで、一時疾患となっている病巣感染に関心をもたない医師ばかりである。今の医療体制、腎臓治療のガイドラインにさえ不信をいだく。

腎内医師は日々多くの患者を診ていながら、なぜ病巣感染をなくすことに考えがまわらないのか、そのことのほうが不思議だ。例えば患者は自身が一時的になんらかの感染(風邪、胃炎、食中毒等)を起こしたときに尿所見が悪化することがわかっている。

IgA腎症の原因は、慢性化した細菌感染(扁桃、鼻、歯)であることは明らかで、私自身もそのすべてを併発していた。

7)扁桃腺が腫れたことがない
私は扁摘パルスを行っている病院の耳鼻科にも相談に行ったことがある。けれども、耳鼻科医は、私の場合は扁桃腺が腫れていないから、摘出しても意味はないといった。

そうではない。IgA腎症患者のすべての扁桃が特異的な構造をもっているのだ。これは目視では、判断できない。

堀田先生の著書「IgA腎症の病態と扁摘パルス」によれば、IgA腎症の扁桃ではリンパ濾胞という組織が不規則に腫大し、T細胞領域とB細胞領域が不明瞭となっていて、免疫応答が阻害されるようになっているらしい。

病巣感染をもつ扁桃腺を摘出することで、細菌と抗体が結合した免疫複合体が腎臓にたどりついて、腎臓の糸球体に炎症を起こすことをストップさせるわけだ。

事実、目視で異常がなかった私の摘出扁桃の病理組織検査では、細菌の塊や侵出物が発見されている。このことは扁摘を受けたIgA腎症患者さんの多くが体験している。

8)扁摘パルスの入院期間が長い
ステロイドパルスで3クールで3週間、扁桃腺摘出で1週間~10日間と、1ヶ月以上の入院生活は、家庭の事情によってはすぐに決めることは難しい人が多い。長期の入院については、家族への説明を自分でして、納得してもらうにもエネルギーが必要だ。

けれども、最初のパルス1クールを入院、あとの2、3クールは外来でも可能だ。扁桃腺の摘出は、パルス終了後の半年以内に行えばよいといわれる。

ご自身の生活や仕事などを考慮し、よりよい治療計画をたてることも可能なのだ。

9)転院の動機付けに恵まれない
近くに扁摘パルスを実施している病院がない、あるいはその情報をもっていないとなると、今の病院への通院をやめる決断ができない。

「IgA腎症根治治療ネットワーク」では、患者さんの近隣の病院で扁摘パルスを行っている実施施設を紹介してくれる。積極的に利用したい。

http://www.iga.gr.jp/shisetsu/index.php

10)主治医がよい先生で信頼している
主治医がやさしくてよい先生であると、患者はこの先生におまかせようと信頼しきってしまう。私もこれが裏目にでた。前医から別の病院に変わることには、うしろめたさ、後ろ髪をひかれ部分もある。

でも、病気は「治すこと」が一番優先されるべきだ。「人間的によい先生である」ということと、「IgA腎症を治せる」ということとはまったく別物であることをわかってほしい。

逆に前医との相性が悪く不信感を抱き、ケンカ同然で「それなら他の病院に行け」とありがたいお言葉をいただき、転院先の病院で扁摘パルスを受けて寛解された人もいる。

このように、扁摘パルス治療を受けるまでには、多くの障害がともなう。でも、立ちはだかるいくつものハードルを乗り越え、希望の道に進むことができるかどうかは、「患者自身の考え方ひとつ」だ。

扁摘パルス治療に将来の光を見いだすか、それとも一生、透析への恐怖を抱えながらも現状での進行遅延でよしとするか。

どちらが好ましいのかはいうまでもない。

●IgA腎症根治治療ネットワーク・アンケートにも、ぜひご協力くださいね!
https://www.yoyakucenter.jp/webform/cpw0003/

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2009年3月27日 (金)

扁摘パルス退院1ヵ月後の通院日

宮城県の緑の里クリニックを退院して1ヶ月ちょっとが過ぎた。運がいいことに、堀田先生が2月から月に1回、豊橋の成田記念病院にてIgA腎症専門外来に来られる。

自宅から成田記念病院までは、バスと電車で40分ほど。県をまたいでいるが、以前に通院していた病院よりも交通の便がよくなった。

<検査結果(随時尿)>
尿タンパク定性:(±)
潜血     :(+)
クレアチニン :0.75

1月の入院時にクレアチニンが、0.84、その後パルスで上昇し1.0に。退院直前に0.77まで下がったが、その際は堀田先生は「血が薄かったせいかもしれない」とおっしゃっていた。私は絶対にクレアチニンを下げてみせると思い込んでいたけれど。

でも今日の検査でもさらに改善して、0.7台であることを再度確認できた。それでも、成田記念病院のクレアチニンの基準値が0.40-0.70ときびしいため、結果値の横にHと高値が示されている。ちょっとくやしい。

尿は薄かったために(±)と出ているが、自宅での検査では日中に(1+)~(2+)になることもある。仕事や活動量が多いと尿蛋白も多くなる。

昨年、腎生検で入院した際は尿蛋白は通常の半分になっていたが、やはり安静時と日常の生活とでは尿蛋白に差が出やすいようだ。

自宅での起床尿での潜血は、3日ほど前に初めて、尿試験紙の色がまったく変わらず白い色だったのを見た。その後はまだ変動があり、薄いブルーに変化する。

久々に塩化亜鉛の塗布をしていただいた。わずかにうすく脱脂綿が赤く色づいたが、痛みは今日はほとんど感じなかった。自宅での塩化亜鉛の点鼻が効いているようだ。

それから、さぼっていないか確かめられることがある。堀田先生は「あ、い、う、べ、やってるか?」と訊かれる。口を大きく開けて発音し、べは舌を出す。口の筋肉が鍛えられるとともに、周辺の血行もよくなるような気がする。

先生は、私のブログについて、「患者さんの立場として書かれていて、特にあなたのように最初は扁摘パルスしたくなかった人が体験したことを伝えているのは、患者にも医師(とりわけ扁摘パルス否定派)にも参考になる」と褒めてくださり、うれしく思った(反面、チェックされているかと思うとへたなことは書けない)。

ともあれ運営者としては、真に役立つ正しい情報を、一人でも多くのIgA腎症患者さんにお伝えできればと願っている。

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2009年2月25日 (水)

緑の里クリニックを退院

昨日(2/24)に緑の里クリニックを退院。尿蛋白は(-)に。前日の1日尿淡白は、0.15gと健常人の域だ。けれども、プレドニンを飲む日は圧が上がるため0.3gと倍ほどになる。

また入院中は横になっていることが多いため、腎臓への負担が少ない。日常生活では、これらはきっともう少し多めなのだろう。

退院の前日は、腎臓がここまで回復したことにうれしくもあり、反面ここでの入院生活が最終になると思うと寂しくもあった。

5年前に仕事で仙台を訪れたとき、地元の方が、「仙台はとてもいいところなので、仕事で長期駐在した人たちが家族を呼び寄せて住みついてしまうんですよ。山形や近隣の市からもたくさんの人が仙台に買い物にくる。気候がよく台風もそれるし、雪もそれほどつもらない。ただ地震だけは高い確率でくるといわれているけれど」と聞いていた。

入院中に、山形や福島を震源とする震度2~3程度の地震がおきた。けれども、菅野先生から次のように聞いていたので安心していられた。「ここには透析のベッドが50床あるけれど、透析施設のある病院は、地盤の固いところに建てられることになっているし、活断層の上には絶対にないので地震がおきても大丈夫」。

私は毎日午後3時が入浴タイムになっていた。毎回、新しい湯面がはられきれいに準備されていて、体の奥からリラックスできた。これまで別の病院での入院経験では、ほとんど入浴は2~3日に1回で、バスタブの中には何となく入る気がせず、シャワーだけ5分程度ですましていた。血行をよくしストレスをとり、免疫力をアップさせるにも入浴タイムは大切だ。

退院前日、バスルームから退出する際は、感謝の気持ちで胸がつまり、浴室に深々と頭を下げた。

もちろん、利用させていただいた施設だけでなく、配慮の行き届いた病院スタッフの方々のおかげで気持ちよく入院生活を送れたことに心から感謝している。

いつも感じることだが、看護師さんの患者に対する気遣い、コミュニケーション能力は、単に「気配りができる人」というものとはちがう。国家試験に合格しているだかたら当然だろうが、そこにはプロとして育成されたレベルがある。テキストがあれば読みたいほどだ。

ある機会に看護師さんに尋ねてみた。「看護師さんになるには患者に対してどのようなコミュニケーションを学ぶんですか?」と。すると、医療も接客サービス業と同じで、教育の中には、元スチュワーデスの講義を聴くこともあると教えてくれた。

堀田先生が仙台社会保険病院から今年になって緑の里クリニックに移られ、私は光栄にも「扁摘パルスの入院患者第一号」になることができた。看護師さんが「私たちにとっても、とても参考になりました」といってくれた。今後のIgA腎症の入院患者さんにも役立つことができるだろう。

遠方からの入院でも身の回りのことが一人でできれば、まったく問題はない。

入院時は最低限必要なものを準備し、足りなくなったティッシュ、カイロなどは歩いて15分ほどのところにあるスーパー、薬局で購入した(足に自信のない人や風の強い日は無理をしないように)。そこにATMもある。

緑の里クリニックは岩沼市というところにあり、仙台よりも暖かいそうだ。それでも夜は午後9時から午前6時までは院内の暖房がきれるため、暖かい地方から来る方は、冬は防寒対策をしておきたい。寒がりの方は電気毛布があれば万全だろう。湯たんぽは貸してもらえる。

私は、厚手の下着上下、レッグウォーマー、カイロ、首巻を準備していったが、重宝した。ステロイドパルスで体の免疫力が低下しているので、冷えて風邪をひかないよう注意したい。

入院期間中に必要なものがあるときには、自宅から宅急便で送ってもらった。遠方であっても家族に病院での世話を頼むことなく、一人で不自由ない入院生活ができる。

また、国民健康保険加入者の方であれば、入院前に「標準負担額減額認定証」を市役所から取り寄せておこう。入院時に提出すれば、1ヶ月の保険自己負担金額が35,400円(70歳未満)となり、経済的負担を減らせる。食事の負担額も1食につき260円が210円となる。自費の部分は別途支払いが必要だ。

退院日は午前9:30、早めに病院を出た。仙台駅でのランチやショッピングを楽しみにしていたのだ。5年前は仙台について知らなかったこともあり、ビジネスホテルに宿泊し、仕事をすませてすぐに帰りの便にのったため、仙台のすばらしさを満喫できなかった。

まず、2つの大きな荷物のひとつを駅構内のコンビニから宅急便で自宅に発送し、もうひとつをコインロッカーに預けた。これで身軽になった。帰りの新幹線まで3時間近くあったが、それはあっというまに過ぎてしまった。

地下に「S-PAL」という名店街がある。笹かまぼこやずんだ菓子などの試食がいっぱいできて、感動!

松澤かまぼこ店の笹かまぼこは、チーズ、豆腐、豆腐ゴマ入り、牛タン入り、イカカレーなどをバラで購入できる。ほとんどすべての種類を1個ずつ購入。チーズと豆腐がいい味を出している。

喜久水庵の新発売、ずんだ生クリーム大福(冷凍)は、同室だった方から教えていただき、ケータイから注文してすでに自宅に送り済み。家族に喜ばれた。駅構内の茶寮喜久水庵では、座ってお茶といっしょにずんだのお菓子をいただくことができる。

昼食は、看護師さんから聞いていた「きすけ」で牛タン定食を。たっぷりの牛タンに、牛の尾を煮込んだスープ、麦飯、漬物がつく。

また、仙台にはファッショナブルでおいしいパン屋さんが多い。2箇所のパン屋さんでお土産用と新幹線内で食べる夕食用にさまざまなパンを購入。アップルシナモンロール、ふわふわ金時豆、どっこいさつま、リンゴメロンパンなど。うれしくてたまらない。イートイン・コーナーのあるパン屋さんで、アップルパイとコーヒーを注文して、予約した新幹線の時間までをすごした。

扁摘をした仙台赤十字病院内のカフェにはパンコーナーがあったが、棚をみると目移りし、そこも毎日利用していた(本当は入院食しか食べてはいけないのだけれど、胃が空になると胃酸で痛むので胃炎予防にと言い訳)。

仙台駅からは、はやて、そして東京駅につき、こだまに乗り、見慣れた風景が窓にうつると、非常に感慨深くなった。仕事や私用で東京駅から新幹線にのっても、かつてこのような感情を覚えたことがなかった。いろいろなことへのありがたさが熱く胸にあふれてきた。

1ヵ月半前の1月14日、病院に向かう新幹線の中でも、必ずよくなると信じていた。それは、扁摘パルスの治療効果について理解していたし、堀田先生のご著書の内容、知識、技術を信頼していたからだ。

帰宅してドアを開けると、猫が「にゃあ」とないた。

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2009年2月21日 (土)

パルス4クール終了、クレアチニン値が大幅に改善

尿蛋白は減っていたものの、仙台赤十字病院での扁摘後、痛み止めを8日間服用していたためか、緑の里クリニック再入院時のクレアチニンが1.0まで上昇していた。やはり鎮痛剤は腎機能を落とす。

堀田先生は「パルスをすれば痛みがとれる」と言った。私が「ぜったいにクレチニン0.7まで下げてみせる」というと、先生は「あれだけ強い炎症があったのだから、それは無理だ」と答えた。

再入院の翌日から3日間(2/18,19,20)、4クールめのステロイドパルスを実施。すると、痛み止めの服用を止めて2日後の2/20の朝の血液検査でクレアチニン値が0.78へと劇的に回復していた。これは昨年5月の数値と同じだ。

クレアチニンが改善したのは、痛み止めの服用停止だけでなく、2日前から院内の運動療法センターで行っているウォーキング、自転車こぎ、ストレッチによって、体内の毒が抜けたことも影響していると私は感じている。適度な運動はステロイドの副作用を減らすだけでなく、血行を促進させ腎機能を改善させる。

堀田先生は私が仙台赤十字病院に入院中に、私が地元で通院していた病院から1年前の腎生検の標本を取り寄せてくれていた。手間を惜しまないていねいな観察は患者にとっては非常にありがたいことだ。

2月初旬に同室だったEさんは、地元の病院でパルスを受けたところアレルギー反応を起こされ、パルスを停止、治療方針が決まらずにいたところ、堀田先生の治療で別の種類のステロイドによるパルスを受けて救われたという貴重なお話を聞かせてくれた。

扁摘パルスを実施している病院ならばどこでもいいというわけではない。医師が個々の患者にあった治療を施すことは、患者の詳細な観察と長年の経験知が積み上げられて初めて可能になる。症状に適合したテーラーメイドの治療ができるかどうかで寛解率が変わるのだ。

全国ではまだまだ1,000件以上の扁摘パルスの実績をもつ病院は少ないが、優秀な医師は育ってきている。可能ならば、堀田先生のいらっしゃる緑の里クリニック、仙台社会保険病院(堀田先生の薫陶を受け、実績経験をもつ医師が多い)、新宿の大久保病院、豊橋市の成田記念病院がお勧めだが、これら病院は遠くてゆけない人々も多いだろう。

堀田先生は「連絡くれれば、近隣の病院と医師を紹介する」とおっしゃっているので、ぜひ下記からご連絡を。

IgA腎症根治治療ネットワーク

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2009年2月18日 (水)

切除扁桃の病理組織検査の結果に驚く

仙台赤十字病院を退院する前日の診断時、先生は切除扁桃の病理組織検査の結果を教えてくれた。それは下記のように記載されていた。

組織所見
左…扁桃陰か(切断時の断面図にある穴)が拡張し、石灰沈着を伴う菌塊(細菌のかたまり)を入れている。年齢の割に、リンパ組織の反応は増生が著明である(通常は年をとるほど扁桃の反応は少なくなるらしい)。浸出物もみられる。

右…同様であるが炎症反応は左よりも軽い。

私はIgA腎症であれば、必ず扁桃に異常があることを確信した。扁桃が小さくても、一度も腫れたことがなくても、扁摘はIgA腎症を寛解させるために必須の治療なのだ。

昨年、地元の扁摘パルスを実施している病院の耳鼻科医は、私の扁桃を見て、「あなたの扁桃は小さいので扁摘しても腎炎は改善しない」と言った。もしこの言葉をそのまま受けて何もせずにいたら、私は5年以内に透析になっていただろう。昨年10月末から急速進行性腎炎に変わってしまっていたのだから。

扁摘パルスをしている病院でさえも、こういうこともあるのだ。こんな考えの医師のほうが多いのが現実だろう。患者は病院選び、主治医選びでは、できるだけ情報収集し実績の多い病院で治療を受けたいものだ。

IgA腎症の皆さん、医師にご自身の扁桃に異常しといわれても、鵜呑みにしないでください。ほとんどといっていいくらいIgA腎症患者の扁桃は病巣感染をもっているのです。昨年までの私は自身の一次疾患は扁桃ではなく、歯と鼻にあると信じて扁摘をずっと躊躇し続けていた。扁摘を迷っていてはいけないのだ。

さらに、先週、扁摘手術後にボトルに入った切除扁桃を見せてもらった時、「膿はないけれど癒着があった」と説明された。ところが、その後の病理組織検査では、しっかりと菌塊が見つかっているのだ。肉眼では扁桃に菌がいるのかどうかは全く判断できないことが、これでも証明された。

緑の里クリニックに戻ると、堀田先生が仙台赤十字病院の検査結果の報告をすでに受けていた。「やはり菌がいたね。ずっとこれまで扁摘はいやだといっていたけど、とってよかったね。尿蛋白も減ったしがんばろう!」と迎えてくれた。

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2009年2月16日 (月)

扁摘終了、摘出部分に癒着あり

仙台赤十字病院にて、2月9日に扁桃腺摘出を受けた。事前の診断では、私の扁桃は小さいので、手術後はそれほど痛みはないだろうと担当の先生から聞いていた。「楽勝だ!」と気持ちが楽になった…摘出後に全身麻酔から意識が戻るまでは。

目が覚めると手術が終わっていた。一瞬、呼吸がうまくできず苦しくなり、足をバタバタさせてしまった。看護師さんが「あばれないで!」という。大量の鼻水と痰を吐き出すと、すぐに呼吸が楽になった。

ナースステーションの近くの病室にて一夜をすごす。酸素マスク、心電図、尿カテーテル、点滴が体につながれている。それにしても今まで経験したことがないほど喉が痛い。肩や首筋がパンパンにはっている。おまけに夜には奥歯と耳も痛み出した。喉は歯や耳と密接につながっているため、喉の痛みが歯や耳の神経に伝わるからだそうだ。

手術前に「摘出した扁桃を後で見たい」とお願いしていた。2つのボトルに左右の扁桃が1gずつ入っていた。扁桃の大きい人は5~6gも除去するという。癒着があったと説明された。扁桃を腫らしたことがなくても、やはりIgA腎症患者は特異的な扁桃腺をもっているのだ。これまで扁摘を躊躇していたが、摘出して正解だった。

喉の痛みは翌日の午後まで強く続いた。通常は翌朝から流動食、昼から五分がゆ、6日めからは普通食が出されるが、私は食後に喉の痛みから耳がツーンと20分ほど痛くなるため、術後5日たってもパン粥とペースト状の流動食、6日めも細かく刻んだものを摂取していた。食事の時間を楽しみにしているのに、食後にいつも耳が痛むのは辛かった。カイロで耳を温めると少しずつ痛みがやわらいだ。

先生の話では、血管炎があることと年齢(コラーゲンなどが少ない)から、治癒が遅れているとのこと。また、私は口にたまる唾液を頻繁に全部ティッシュでぬぐっていたが、これがよくなかったらしい。唾液を吐き出してしまうと、喉が乾燥して回復が遅くなる。唾液を飲み込むと痛いけれども、吐き出してはいけないのだ。

扁摘は若いほど治りが早いそうだ。白内障の手術で同室のあばあちゃんは二十歳のときに扁摘したそうだが、痛みはなく日帰り手術だったという。高齢になるほど扁摘の痛みが強くなる。

術後1日めから、新館に移動。ここは4人部屋だが部屋にトイレ(2畳ほどの広さでドアの開閉で自動消灯)や洗面台がついていて非常に便利。これで差額室料0円はありがたい。

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2009年2月 3日 (火)

パルス3クール終了、尿蛋白安全圏へ

先週末(土)で3クルめのパルスが終了した。昨日(月)の1日尿蛋白は、0.4gと減少。腎機能が低下しない安全圏へ下がった。堀田先生の話ではまだ変動はあるらしい。私の場合は発症して数年経過しているため尿蛋白が(-)になるまでには時間がかかる。羅病期間が1年程度ならばパルス中に寛解することもあるようだ。

まだ潜血は残っているが、これは血が出ていたほうが、今の状況としてはよいとのこと。というのは、血尿がおさまっている(糸球体の炎症が消えた)のに尿蛋白が出ているとしたら、それは糸球体の硬化や間質の繊維化が生じているために、そこから尿蛋白が漏れ出て、それは将来も尿蛋白が消えない原因となるからだ。

今週金曜日に緑の里クリニックをいったん退院し、同日に仙台赤十字病院に入院。最終の月曜(2/9)に扁桃腺の摘出となる。そして2/16に仙台赤十字病院を退院後、様子を見るために緑の里クリニックに1週間の入院予定。

緑の里クリニックの食事はとてもおいしく満足している。素材がよいのだろうが、味付けもグッド。他の入院患者さんも「ここの食事はおいしい」といっている。昨年、腎生検で地元の病院に入院したときは1日でも早く退院したいと思っていたが、ここは数ヶ月でもいられそうくらい居心地がよい。

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2009年1月26日 (月)

IgA腎症のブログ訪問者の方へお願い

私はこれまで扁摘パルスでIgA腎症が治癒するメカニズムについては理解していたが、扁桃腺が腫れたことがなかったこととステロイドの副作用を恐れていたことから、この治療を受ける意思がなかった。もし3ヶ月前に腎機能、尿所見の急性悪化が始まらなければ、この機会を逃してしまっていただろう。だから急速進行性の腎炎に変化したことは逆に運が良かったと思える。

この3年間に4人の腎臓内科医師と3人の耳鼻科医師を受診したり相談したりしたが、多くは病巣感染の理解がなく(というよりも治癒させた経験がないためコミュニケーションがうまくゆかない)ストレスがたまるばかりだった。

これら経験と治療体験を通して、現在、下記の記事を書きためている。

◎扁摘パルス治療への道を阻む10のハードル

◎日本はIgA腎症治療の“最先進国”で目標が「治癒・寛解」、欧米は「悪化遅延」

これらの記事のアップがいつになるかわからないが(入院中はケータイからの更新のためうまく記事が作成できない)、まずは、訪問者の皆さんに堀田修氏の2冊めの著書「IgA腎症の病態と扁摘パルス」だけはお読みいただきたい。

Henteki 私のブログに関心のある方であれば、否定派でも肯定派でもこの書籍から新しく得るものが非常に多い。特に堀田氏の1500例からの経験知を素人でも理解しやすい言葉を使い、さらにさまざまな角度から統計にしているのが圧巻だ。

どのポイントで寛解が可能なのか、治療開始から尿蛋白や潜血が消失するまでの期間など、よくぞこれほどまでに数字にして示してくれたと感動さえ覚える。目から鼻に抜けるように、なぜそうなるのかの説明にしっかりとした理論付けがされている。

起こりうる副作用への対処も知っておきたい。経験と腕のある医師ならば、ステロイドの副作用を回避する知識をもっているはずだ。

これを読めば、実際に100人以上の患者の扁摘パルスを実施した医師と同じ位の情報量と知識を得ることができるだろう。多くの医師や患者にバイブルとして活用してもらいたい貴重な書籍だ。

必ずやIgA腎症で悩む皆さんに希望への道を歩んでいただくことができると信じている。

冒頭のメッセージ、「あらゆる理論が崩れても、しっかりと観察した事実だけはびくともしない」のファーブルの引用は、まさに堀田氏の圧倒的な経験知からの自信だろう。

例え今、腎機能が正常範囲でも寛解の可能性は日ごとに低下している。

どうぞ本書をご活用ください。

IgA腎症と縁を切ることができる時間内に。

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2009年1月23日 (金)

入院10日め、尿蛋白改善

早いもので入院して10日経つ。堀田先生からうれしい報告が。

入院前に3gあった1日尿蛋白が0.9gへと減少。急性悪化する前程度にまで回復。順調によくなっているとのこと。

糸球体がザル状態になったものが修復できるかどうかが一番心配していたが、これでひと安心。

今週、来週と残りのパルスを受けて、2月6日に退院予定、同日、仙台赤十字病院に入院し10日間の入院。2月9日に扁桃腺の摘出をする。

その後、検査結果によってパルスが足りなければ緑の里クリニックに再入院し、パルス4クール、5クールめが追加されることもあると聞いているが、そのようなケースはよくあるらしい。しっかりとした管理下で行えばステロイド副作用の問題はないとのこと。

ステロイドはベテランの医師のもとで行えば、必要以上に恐れることはないことをお伝えしたい。ステロイドを使用しないで腎不全になってしまうことのほうがよほど恐ろしいのだ。

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2009年1月20日 (火)

ステロイドパルス1クールめ終了

緑の里クリニックでの入院生活は、ちょっとしたリゾート気分で快適だ。ベッドは窓際で大きな窓の下の陽だまりから、裏の山並みや町並みが見渡せる。浴室もきれいで、バスタブはゆったりと体を伸ばしてリラックスできる。私は毎日入浴が許可された。外出許可をもらいスーパーへ買い物にも出かけた。

栄養士さんにお願いして、私だけ朝は低蛋白のパン(ロールパン)にしていただい
た。ご飯よりもパンのほうが胃がもたれない。

ステロイドパルスは予定では3週間で3クール、毎週木、金、土の3日間を3回実施となる。クレアチニンは入院前の0.84から0.9と上昇したが、パルス中には値が上がるのが通常でパルスが終了すれば下がる。

堀田先生の他に菅野先生とおっしゃる2人の先生が私を担当してくれている。お若い菅野先生は自称「堀田先生の30人めの弟子」とのこと。誠実でおもしろい先生だ。
「お弟子さんは100人くらいいるのでしょうか?」

平日は毎日、堀田先生が午前と午後の2回往診してくださり、気さくにさまざまなお話を聞かせてくれるのが心強い。午前は、塩化亜鉛を鼻咽腔に塗布する。3回ほど塗布すると、黄色い痰が出なくなってきた。また、自分で鼻にさす塩化亜鉛の点鼻薬がしみなくなってきた。

堀田先生は、休日の日曜に他の用事もあったのだろうけれど、出勤され、私に塩化亜鉛を塗布してくださった。本当に患者思いの先生だ。知識も、技術も、経験も、人間性も、すべてにおいて医師として非の打ち所のない方だ。この先生に出会えて本当によかった。私の病状にあったテーラーメイドでの最善の治療がなされていると感じる。これは堀田先生の1,500例以上の経験知から導き出されたものだ。

私は堀田先生に「IgA腎症患者で鼻咽腔を患っている人は多いと思いますが、塩化亜鉛治療は、なぜ堀田先生しかできないのですか?もっとどこの病院でもできるように広めてほしい」といった。

先生は、「確かにそうなんだけれど、それでも扁摘パルスでさえも20年かかってやっとここまできたんだよ。今度、咽喉の講演があるので塩化亜鉛治療の話をするよ」とお答えになった。

昔は塩化亜鉛の治療は内科や耳鼻科で一般的に行われていたが、非常に痛い治療で、患者が通院をやめてしまうために、だんだんと塩化亜鉛が使われなくなったそうだ。確かに痛い。腎炎の原因でなければ、こんな痛い治療はできれば誰でも避けたいと思うだろう。

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2009年1月14日 (水)

扁摘パルスでの入院1日め

本日から宮城県の緑の里クリニックに入院。朝早く家を出たが、仙台駅で逆方向のJRに乗ってしまい、病院についたのは予定よりも1時間ほど遅れた。でも予定の午後2時にまにあった。

堀田先生の診察を受けると、「なぜもっと早くパルスの治療をしなかったのか」といわれた。すでに腎機能は59%程度だという。クレアチニンは0.84とわずかにあがっただけのように思っていたが、昨年8月までは、クレアチニンが正常値の範囲でそれほど深刻でないと思っていたため、それを聞いて驚いた。

ステロイドの副作用を心配していたことを告げると、私の場合は、パルスで逆に胃炎が改善するかもしれないとのこと。もともと血管炎をおこしていて、そのために胃炎になってしまう。パルスで血管の炎症を抑えられれば、胃炎も起こさなくなる。

先生はいうには、今が治るかどうかのぎりぎりのところで、これより遅ければ手遅れになっていたとのこと。

堀田先生は今年1月から緑の里クリニックに移られ、私が「扁摘パルスの記念すべき第一号の入院」だとのこと。だから、ぜったいにカンカイさせましょう!と。

そして、気になる鼻咽腔の炎症を治す塩化亜鉛の塗布。これこれ、このために私はここまで来たのだ。横になると喉の奥に塩化亜鉛しみこませたものをグリグリ当てられた。思わず悲鳴を上げてしまった。

フンガー!!ギェー!!

といった感じの痛さ。炎症があるとしみると聞いていたが、痛さのためにしみているのかどうかがわからないほど。

けれども唾液をティッシュに出すと、やはり真っ赤な血が出てきた。先生はそれが炎症の証拠だという。

その後も2時間ほどは唾液に血が混じった。でも感染の炎症の場所が確定できたことは、どちらかといえば、喜ばしいことだ。これは堀田先生でなければ、できない治療だから。はるばる遠方からここまできたかいがあったというもの。

これまであまりにもステロイドの副作用を気にかけるあまり、この扁摘パルスの治療を受ける決断ができなかったことを後悔した。この治療は早ければ早いほど、治る可能性も高いからだ。

IgA腎症の方は、ぜひ堀田先生の診断を受けられることをおすすめする。東京では大久保病院、豊橋では成田記念病院で外来を行われている。どうか、みなさん、迷うことなく行動してください。手遅れにならないために。

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2009年1月 8日 (木)

腎炎の治療、扁摘パルスを決意

元日は朝からの頭痛で寝込んでいた。10月末から鼻の炎症から耳がつまった感じがあり、その後に尿淡白が増加傾向になった。

2日前の1/6の腎臓内科の検査では、1日尿淡白が3g(正確には2.73g)まではねあがった。クレアチニンは0.83mg/dl。急速進行性腎炎になってしまったかとあせる。

鼻咽腔炎が原因だとわかっているが、どこの耳鼻科にいっても異常なしといわれる。黄色の鼻水や鼻から喉に落ちる痰に血がまじるのだから、感染による炎症があるはずなのに、内視鏡やX線で炎症がみられないために、アレルギーだと言い張る耳鼻科医もいる。

私が「アレルギーで尿淡白は増えない」というと、「尿淡白が増えたのは鼻でなく別の原因かもしれないよ」と、まったく話にならない。

抗生剤や点鼻薬、ネブライザーもまったく効かない。

塩化亜鉛の治療を受けたいけれども現在この方法をやっているところはほとんどないとのこと。

今のままでは、数年後の透析が確実になってしまう。ここまできてやっと扁摘パルスを決意した。

仙台社会保険病院の堀田先生の2冊めの書籍「IgA腎症の病態と扁摘パルス療法」を読めば、腎炎が軽症で経過観察をして時期が遅れるほど、寛解率が下がることが理解できる。

例え腎機能がかなり下がっていても(CKDステージがたとえ4~5であっても)、羅病期間が3年以内と短いほど寛解の可能性が高いという統計が出ている。CKDステージが1と軽症でも7年以上の羅病期間では、治る可能性が低くなってしまうのだ。扁桃腺が見た目に異常がなくても、扁摘パルス治療を受ける効果がある。鼻咽腔の炎症も扁桃腺の異常からきている。

この書籍の内容は非常に衝撃的で、これまでの私の考えをくつがえした。経過観察は逆に「罪」なことと腎内医師は悟ってほしい。扁摘パルスを行っていない医師が主治医になっているIgA腎症患者は「非常に不幸」なことなのだ。

IgA腎症の病態と扁摘パルス療法
↑ぜひお読みください!

扁摘パルスだけであれば、近隣の病院でおこなっているところもあるが、私の場合は扁摘パルスだけでなく、鼻咽腔の治療も必要だ。

しかし、堀田先生あてに数回メールしているけれども、今年になってからは返信がない。

思い余って仙台社会保険病院に電話した。すると、電話に出た女性がいうには、堀田先生は昨年で仙台社会保険病院で退職され今年から別のクリニック(緑の里クリニック)にて月、水、金に外来を担当されているので明日の金曜日に連絡するとよいとのこと。

えーー、堀田先生は退職されたの!?「仙台社会保険病院=堀田先生」というイメージがあったので、驚いた。

今日は木曜日だけれども、電話番号を教えていただいたのでかけてみた。扁摘パルスでの入院について聞きたいというと、なんと「堀田先生にかわりましょうか?」という。

堀田先生がいらした!!

もう、電話越しのお声を聞くだけでほっとした。病状はすでにお伝えしているので、先生は、「あなたの場合は早いほうがよい」という。また、鼻の炎症があるためか、扁摘よりもパルスを先にすることになった。

まず、ステロイドの点滴によって、乱れた免疫の司令塔となっているヘルパーT細胞のアポトーシス(プログラム化された死)を起こさせる必要があるからだろう。

堀田先生はすぐに入院の段取りを整えてくださった。1月14日(水)から緑の里クリニックに3週間入院しステロイドパルスをしながら、塩化亜鉛での鼻咽腔炎の治療をすることになった。扁桃腺摘出はいったん退院した後に、耳鼻科のある別の病院にて行う。

ステロイドの副作用は気になるけれども、日本で(世界中で)IgA腎症治療の扁摘パルスに一番の実績(過去20年間に1,500例)のある堀田先生にお願いするわけだから、すべてを信頼して治療に専念しようと思う。

これから入院の準備だ。

堀田先生は、今年の2月からは、東京の大久保病院での外来がこれまでの月1回から2回へ、さらに東海地方の患者さんにとっては便利な豊橋の成田記念病院での外来診察が月1回実施される。

これまでの検査結果のデータをもって保険内での受診が可能だ。通常、セカンドオピニオンというと高額になってしまうが、堀田先生にご相談することは決して敷居の高いものではないのだ。相談されたい方、まずは予約してみよう。

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