一昨日、7月20日はフォーラム「病巣感染を考える」に参加。浜松から東京へは交通費が1万5千円(+フォーラム参加費2千円)かかるけれど、それでもたくさんのお釣りがくるくらいに有意義だった。行ったかいがあったと大変満足。
この病気は「気づき」が大事なんだから。漫然と処方された薬を飲んでいるだけでは(私は腎臓の薬を飲んでいないけれども)、治るものも治らなくなってしまう。
また、フォーラム後には、同じIgA腎症の仲間の方々3人と、お顔合わせすることができた。みなさんネットでのコメントやいただくメッセージから想像していたイメージとまったく同じ雰囲気の方々だったため、安心。だからすぐにうちとけられる。
では、今回のフォーラムの講師の方々の貴重なお話を、どれだけブログでお伝えできるかわからないけれども、多くのみなさんにその内容を知ってもらいたいと思う。
講師は、仙台社会保険病院の堀田先生をはじめ、歯科大学や歯科医の先生、耳鼻咽喉科の先生だ。歯や鼻、喉の細菌感染からおこる怖い全身のさまざまな病気について、多方面からの研究を聞くことができた。
今後、主催の恒志会では、医科歯科共同の取組みとして、単に患者を紹介するのではなく、チームを作り1人の患者について腎内と歯科が、共同で討議することを実施してゆく(堀田先生が理事長)とのこと。
これは、まさに私が願っていたことなのだ。全国の腎臓内科に浸透するには、まだまだ時間がかかることだろうが、これによって多くの患者さんが救われるはず。それにしても、いまだ歯の感染に無関心な腎内医師は多い。
まずは、今回のフォーラムで一番印象に残った話から。
IgA腎症の患者であれば、とても気になること。誰もが考えたことがあると思う。
「なぜ、自分はIgA腎症という病気になってしまったんだろう?」
という疑問。
それについて、下記のような流れがあるそうだ。
・健常人も含め人は10人に1人は、腎臓の
メサンギウムにIgA抗体がくっついている。
↓
・このメサンギウム領域にIgA抗体が付着した
人のうち50人に1人の 割合でIgA腎症が
発生する
とのことだけれども・・・
では、「発症する人と発症しない人との差」は何なのか?これが一番気になるはず。
ちゃんと犯人がいるのだ。
それは、糸球体毛細血管に集まった“好中球”や“マクロファージ”。これらリンパ球は、蛋白質分解酵素を出し、糸球体の細胞の壁を破ってしまう(バーストという)。好中球やマクロファージは、体内に入ったインベーダー(異物)を食べて処理する貪食細胞である。
そしてバーストし断裂した糸球体から赤血球や蛋白が漏れでる。このような毛細血管炎が起き瘢痕ができるという繰り返しで、どんどんと糸球体が破壊されてゆくわけだ。
IgA腎症では、好中球とマクロファージという2つのリンパ球が関係しているが、糖尿病腎症では、マクフロファージのみが影響しているとのこと。そして、マクロファージは歯の感染に関連していて、糖尿病腎症の患者さんでは、腎臓が悪くなってしまう前に、歯が無くなるらしい。
細菌は仲間を増やすだけでなく、病原性をも調節する。免疫が効かなくなるのだ(免疫抑制)。また、人のストレスホルモンは細菌の病原性をも高める。細菌は人のストレスをキャッチする能力があるとのことで、「病は気から」はまさにそれを表している。口腔や咽頭の細菌は、インフルエンザのサポーターとなるので発症しやすくなってしまう。
私は、風邪以外に胃炎でも肉眼的血尿をおこす。その原因は胃にすむピロリ菌とキャンピロバクターという菌が原因しているとのことだ。菌によってヒートショック蛋白(ストレス蛋白)が作られそこから抗体が産生され、免疫複合体を形成し、血流に入り込み、体の各部の細胞がこれを受け入れてしまうと二次疾患となって表れるとの報告があった。
仙台赤十字病院の小児科の先生のスライドをみて、「きっと、そうに違いない!」と思ったことがあった。
IgA腎症で歯に感染があると、扁桃腺にも細菌感染が起こる。そして、鼻に炎症があると、これもまた扁桃腺の感染が起こってしまうといった流れがスライドに示された。もちろん、扁桃腺炎症が単体で起こることもある。
書籍「慢性免疫病の根本治療に挑む」によれば、IgA腎症の患者の扁桃腺を摘出すると、ほとんどの症例で、摘出した扁桃腺に多かれ少なかれ、なんらかの感染があったという報告がされている。別の病気で扁桃腺をとった場合には、感染がないとのこと。
扁桃腺摘出の手術2例のビデオが映されたが、どちらも外見的にはなんの異常もない扁桃にメスが入ると、白く固まった膿がニョロッと出てくる。
これらから、扁桃腺炎症の上流に、歯あるいは鼻の部位での感染が起こっているのでは?といった推察もできる。だとしたら、私の場合は、やはり歯の治療が優先されるべきだ。
もうひとつ、歯科系の講師の方が歯の根管治療方法についても言及されていた。5年前に根管治療した歯が再発した私は、炎症再発を防ぐには抜歯しか方法がないのかと諦め気味に思っていた私にとっては朗報だ。
細菌は歯の象牙質細管で長く生き延びるため、それらには消毒や抗生剤が無力だと考えていたからだ。可能性があれば歯の保存は誰もが望む。
次のような方法が細菌を死滅させるのに効果的とのことだった。100%の治療ではないとしても、やってみる価値はあるだろう。
1.根管壁のスメア層のエッチング(10~30秒)
※スメア層とは歯を削ったときに出る切削片が、象牙質の象牙細管に詰まることによって形成される層のこと。スミア層が存在するとその上にのせる詰め物などの接着性が低下し、さらにスミア層自体に細菌が存在する場合もある。(歯科大辞典より)
↓
2.ADゲル(次亜塩素酸ナトリウム)を2分
ADゲルで象牙細管内のコラーゲンを溶かし、接着力を高める。しかし、調べるとADゲルは強い薬で、歯根膜炎を起こすこともあるらしいので注意が必要。
↓
3.3mix(3種類の抗生物質の混合剤、保険外)法の薬を使って消毒、仮封する
3mix法は、歯を削らない虫歯治療としても話題になっている。根管治療でも消毒剤として使われる。
この作業を何回か行なうことで、細菌が死滅するようになるとのことだった。
今日、歯科通院日だったためさっそく上記の方法について、先生に聞いてみた。
1のスメア層のエッチングについては、通常の治療で行なっているとのこと。
2のADゲルで起こってしまう歯根膜炎は、歯の外側にADゲルを押し出した場合に発生してしまう。刺激が強い薬のため、当院では別の薬剤を使っているとのこと。
3の3mixは、アレルギーのある患者には使わないことにしているけれど、自己責任になってもよければ、次の治療までに用意しておくとのことだった。さっそくお願いした。
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